自然言語処理学研究室の井手 佑翼さん(博士後期課程1年)が、情報処理学会 第260回自然言語処理研究発表会において若手奨励賞を受賞しました。(2024/6/29)

 自然言語処理研究会は、計算機を用いた言語処理に関わる諸技術(形態素解析、統語解析、意味解析、談話解析、自然言語生成、対話、言語知識表現・獲得、機械翻訳、その他言語解析の応用)および、そのための言語資源(言語資料・統計、辞書、文法等)を研究分野としています。第260回研究発表会は、2024年6月28-29日、北陸先端科学技術大学院大学の金沢駅前オフィスおよびオンラインでハイブリッド開催されました。
 若手奨励賞は、各研究会において優秀な論文発表を行った若手(その年の年度頭に30歳未満、または学生)に対して授与するものです。表彰件数は対象となる発表の10~20%程度とし、選考は研究会参加者の投票によって行われます。(NL研究会HPより抜粋)
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  • 受賞者 Awardees:
     井手 佑翼(博士後期課程1年 )

  • 受賞テーマ Research theme:
     "大規模言語モデルに適した容認性判断手法の検討"
     ミニマルペアにより構成されるデータセットを用いた容認性判断は、言語モデルの文法知識の評価に有用である。この評価が妥当であるためには、容認性判断手法が、言語モデルの性能を最大限引き出すものであることが望ましい。しかし、既存の容認性判断研究の多くは、判断対象文の確率に基づく単純な判断手法を検証するに留まっているため、言語モデルの文法知識を最大限活用する方法が何であるか明らかでない。そこで本研究では、判断対象文をテンプレートに挿入する新しい確率ベースの判断手法を提案し、これを従来の確率ベース手法やプロンプティングと詳しく比較する。6つの大規模言語モデルを用いた実験により、提案手法が、従来の確率ベース手法より優れていることを示す。続いて、提案手法とプロンプティングの比較から、全体としては提案手法がやや優れる傾向にあること、文法現象別に見ると両手法で得意とする現象が異なることを示す。最後に、両手法を組み合わせた多数決アンサンブルにより、それぞれの手法単体を上回る性能が実現できることを示す。

  • 著者 Authors:
     井手 佑翼、西田 悠人、大羽 未悠、坂井 優介、Justin Vasselli、上垣外 英剛、渡辺 太郎

  • 受賞者のコメント Awardee's voice
     このような賞をいただくことができて光栄です。本研究会の運営に携わった方々、そして本研究に対して多くのコメントをくださった方々に感謝します。今後も、よい研究を重ねていけるよう努力いたします。

  • 外部リンク Links to:
     第260回 自然言語処理研究発表会 HP: https://sites.google.com/sig-nl.ipsj.or.jp/sig-nl/%E7%A0%94%E7%A9%B6%E7%99%BA%E8%A1%A8%E4%BC%9A/%E7%AC%AC260%E5%9B%9E
     

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