自然言語処理学研究室の坂井 優介さん(博士後期課程2年)らが、情報処理学会 第257回自然言語処理研究会において優秀研究賞を受賞しました。(2023/9/1)

 情報処理学会 自然言語処理研究会は、計算機を用いた言語処理に関わる諸技術とそのための言語資源を研究分野としています。第257回研究会は9月1日、 LINE株式会社 四谷オフィス カンファレンスルームにてハイブリッド開催されました。
 優秀研究賞は、各回の研究会において投稿される予稿の中から新規性、有用性、斬新性、将来性等の点で特に優れたものを表彰するものです。表彰件数は全体の10%程度とし、研究会の幹事と運営委員からなる選考委員会が選考します。
 第257回研究会では、坂井 優介さんらの研究が高く評価され、優秀研究賞を受賞しました。
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  • 受賞者/著者 Awardees/Authors:
     坂井 優介、上垣外 英剛、林 克彦(北海道大学)、渡辺 太郎

  • 受賞テーマ Research theme:
     "未知の知識に対する事前学習済み言語モデルが持つ推論能力の調査"
     事前学習済み言語モデル (PLM) は事前学習時に獲得した言語理解能力や知識によって、既知の事象に対して推論を行うことができる一方、未知の事象に対してはPLMの推論能力のみで解を導き出す必要がある。しかし言語モデルの推論能力のみを評価するには、PLMが事前学習時に記憶した知識と獲得した推論能力を完全に切り分けた分析が必要となり、既存のデータセットで測定するのは、事前学習時の記憶が作用してしまうため困難である。本研究ではPLMの推論能力の分析に、知識グラフ上の既知の関係から欠損している未知の関係を予測するタスクである知識グラフ補完 (KGC) を対象とする。KGCにおいて埋め込みに基づく従来手法は推論のみから欠損箇所を予測する一方、近年利用されているPLMを用いた手法では事前学習時に記憶したエンティティに関する知識も利用している。そのためKGCは記憶した知識の利用と推論による解決との両側面を有することから、PLMが記憶する知識の影響を測るのに適したタスクである。我々はKGCに対し知識と推論による性能向上を切り分けて測定するための評価方法及びそのためのデータ構築手法を提案する。本研究ではPLMが事前学習時にエンティティに関する知識の記憶により推論を行っている箇所を明らかにし、PLMに備わっている未知の事象に対する推論能力も同時に学習していることを示唆する結果が得られた。

  • 受賞者のコメント Awardee's voice
     おかげさまでNL研の優秀研究賞をいただくことができました。日頃、応援してくださってる皆様に報告できたこと、本当に嬉しく思います。今後もまた良い論文を出せるよう頑張っていきますので、引き続き応援よろしくお願いいたします。

  • 外部リンク Links to:
     ・情報処理学会 自然言語処理研究会 HP: https://sites.google.com/sig-nl.ipsj.or.jp/sig-nl/home
     ・第257回NL研究発表会 HP: https://www.ipsj.or.jp/kenkyukai/event/nl257.html

>> 自然言語処理学研究室 Natural Language Processing lab