自然言語処理学研究室の川畑 輝さん(博士前期課程2年)が、言語処理学会第29回年次大会において若手奨励賞を受賞しました。(2023/3/16)

 言語処理学会(The Association for Natural Language Processing)は言語処理の研究成果発表の場として、また国際的な研究交流の場として、1994年4月1日に設立されました。年4回の会誌「自然言語処理」の発行、年1回の言語処理学会年次大会の開催を通じて、この分野の学問の発展、応用技術の発展と普及、国際的なレベルでの研究者・技術者・ユーザ相互間のコミュニケーションと人材の育成をはかる機関です。(言語処理学会HPより抜粋)
 若手奨励賞は、「年次大会の開催年の4月1日において満30歳未満のもの」を対象とし、主に当該研究論文と第1著者の将来性を評価し、第1著者(人)に対して贈られる賞です。第29回年次大会(NLP2023)は、2023年3月13~17日の日程で沖縄コンベンションセンターにてハイプリッド開催されました。
 
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  • 受賞者 Awardee:
     川畑 輝

  • 受賞研究テーマ Research theme:
    "読解問題における論理推論の一貫性評価"
     本研究の焦点は、言語処理モデルが人間とおなじような論理的推論能力を持つことが可能かどうかを評価することです。モデルの論理的推論能力を評価する研究データセット自体は既存研究において開発されていましたが、本研究では”人間と同じように根拠も理解しているか”という点をさらに分析するため、既存データセットを変形する形で、モデルの根拠理解能力を評価するデータセットを開発しました。既存データセットでの性能と今回構築したデータセットでの性能を合わせて評価することで、モデルの「根拠に基づく論理的推論」の可能性を検証します。実験では、既存データセットで人間に比類する性能のモデルであっても、根拠理解に関しては人間と大きな開きがあることがわかりました。今回開発したデータセットは根拠に基づいて推論できる信頼性の高いモデル開発のための評価ベンチマークとなることが期待されます。
  • 著者 Authors:
     川畑 輝、菅原 朔(国立情報学研究所)
     
  • 受賞者のコメント Awardee's voice
     本研究がこのような形で実を結ぶことができ大変嬉しく思います。賞審査に尽力してくださった方々、大会運営委員の方々に厚く御礼申し上げます。また、多大なご指導を賜りました共著者の方に心よりの感謝を申し上げます。

  • 外部リンク Links to:
     言語処理学会第29回年次大会 HP: https://www.anlp.jp/nlp2023/

>> 自然言語処理学研究室 Natural Language Processing lab