ソーシャル・コンピューティング研究室の久田 祥平さん(博士後期課程1年)らが、言語処理学会第29回年次大会においてスポンサー賞の富士通賞を受賞しました。(2023/3/16)
言語処理学会(The Association for Natural Language Processing)は、わが国の言語処理の研究成果発表の場として、また国際的な研究交流の場として、1994年4月1日に設立されました。年4回の会誌「自然言語処理」の発行、年1回の言語処学会年次大会の開催を通じて、この分野の学問の発展、応用技術の発展と普及、国際的なレベルでの研究者・技術者・ユーザ相互間のコミュニケーションと人材の育成をはかる機関です。(言語処理学会HPより抜粋)
スポンサー賞は、大会の発表論文に対して、スポンサーが独自に授与する賞です。言語処理学会第29回年次大会 (NLP2023) は、2023 年 3 月 13~17 日の期間、5 日間の日程で開催されました。 |
- 受賞者 Awardee / 著者 Authors:
久田祥平 (D1)、若宮翔子、荒牧英治
- 受賞研究テーマ Research theme:
"権利侵害と不快さの間:日本語人権侵害表現データセット"
ネット上の誹謗中傷は大きな社会問題となっており、検出タスクやデータセット構築などの研究が行われています。誹謗中傷の主観的な性質のため、既存研究は、読み手の感性としての主観評価を受け入れた分類または、誹謗中傷をヘイトスピートのようなサブタスクに分割して課題を具体化した明確な基準による分類に基づいています。そのため、ヘイトスピーチのような関心度の高いサブタスクを除き、社会問題に至る言語行為と既存の誹謗中傷へのアプローチにはやや隔たりがあります。 本研究では、ネット上の誹謗中傷を人権侵害という観点から捉えることで、その専門家である法曹による判断を利用することができると考え、判例から人権侵害が争われた言語表現のデータセットを作成して公開しました。これにより、人権侵害の言語的な特徴や、既存研究における誹謗中傷との相違点を明らかにすることが期待されます。
- 受賞者のコメント Awardee's voice
この度富士通賞にご選出いただき、大変光栄に思います。ご指導くださった荒牧先生、若宮先生、研究室の皆様に感謝申し上げます。今後さらにこの研究に邁進してまいります。
- 外部リンク Links to:
- 言語処理学会HP: https://www.anlp.jp/
- 言語処理学会第29回年次大会表彰一覧: https://www.anlp.jp/nlp2023/award.html