「21世紀COEプログラム」研究教育拠点の形成について
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奈良先端科学技術大学院大学
ユビキタス統合メディアコンピューティング
研究拠点リーダ 千原國宏 |
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情報科学研究科は、情報処理学専攻をベースに「ユビキタス統合メディアコンピューティング」研究教育拠点を形成すべく、文部科学省「21世紀COEプログラム」に応募しておりましたが、この度、「情報・電気・電子」分野の全国ベスト20大学の一つに採択されました。われわれのプログラムは、情報キャリアとしての「インターネット」と情報コンテンツとしての「視覚・画像メディア」「聴覚・音声メディア」「知覚・言語メディア」「力覚・行動メディア」の統合と融合に関する世界的な研究教育拠点となることを目的としたものです。
本研究科は、日本の大学院教育の改革を実践すべく1992年に創設されて以来、教官・学生・職員が一体となって、新しい大学院の形成に日夜努力してきたことは周知の事実です。創設以来10年、情報ネットワーク運用を基盤としたインターネット研究、没入型仮想融合空間における画像メディア研究、ハンズフリー音声認識をベースとする音声メディア研究、日本語形態素解析システム「茶筌」などの自然言語処理を中心とする言語メディア研究、ロボカップやインテリジェント車椅子またシステム制御技術などの行動メディア研究など、個別の分野において世界的研究拠点の形成に貢献してきました。
また、創設10周年を迎えた2001年度には、鳥居宏次学長が次世代を見据えた「NAISTの基本理念」を提示されましたが、この基本理念を具体化するためのプログラムのひとつが「ユビキタス統合メディアコンピューティング」です。次世代インターネットのリアルタイム性を活用した利便性・安全性・信頼性の高いソフトウェアコンテンツなど、ネットワークを介した我々人間の日常生活と知的活動を支援するための次世代メディア技術の創出と、それを支える高度な研究者・技術者の組織的な育成を図ることにより、知的公共財としての研究成果の社会への還元と人材育成という大学院大学の使命を達成しつつ、国際的に知的存在感のある国造りに貢献しなければなりません。具体的には、戦略研究開発事業・産官学連携事業・国際的拠点形成事業・若手研究者育成事業の4大事業を実施し、5年後には世界的な情報科学の研究教育拠点を形成するという意欲的かつ革新的な内容を、学長の強いリーダシップによる大学や研究科の支援体制のもとで、拠点リーダの強烈な個性で選ばれた各研究者が創意工夫しあいながら推進するというトップダウン型の研究教育事業です。
ここに、教官には従来に倍する熱意で研究教育に勤しまれること、また学生諸君には誇りを持って学業に専念されることを、それぞれ期待し、研究拠点形成リーダとして、本研究科がベスト20大学に恥じない大学として全力を尽くす決意を表明します。
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