奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 情報生命科学専攻 蛋白質機能予測学講座 講義関連

平成21年度「ゲノムリテラシー講座」

立体構造の可視化と立体構造予測


  1. 演習用のディレクトリを作成し、必要なデータをコピーする。 ターミナルで次のコマンドを打つ。
    cd
    cp -r /mandara/lecture/takawaba/3DSTR .
    cd 3DSTR
    

  2. PDBデータの入手と可視化

    あるタンパク質の立体構造データを入手するには、PDBのWebサーバから、検索を行えばよい。 PDBコード("1flv")やタンパク質名("flavodoxin")などからも検索可能だが、もっとも確実に 同定するのはアミノ酸配列による検索である。 アミノ酸配列

    MSKKIGLFYGTQTGKTESVAEIIRDEFGNDVVTLHDVSQAEVTDLNDYQYLIIGCPTWNI
    GELQSDWEGLYSELDDVDFNGKLVAYFGTGDQIGYADNFQDAIGILEEKISQRGGKTVGY
    WSTDGYDFNDSKALRNGKFVGLALDEDNQSDLTDDRIKSWVAQLKSEFGL
     
    に相当する立体構造データをRCSB-PDBかPDBjのどちらかのサーバからダウンロードせよ。

    RCSB-PDB (www.rcsb.org)

    左メニューの[Search] から [Sequence] を選び、配列からの検索エンジンに移り、"use Sequence"をクリックして、クエリ配列をコピー&ペーストして、"Evaluate Query"ボタンを押す。ヒットしたエントリの どれかをクリックし、メニューの"Download Files"から、"PDB txt"を選んで、ホームディレクトリに保存する。

    PDBj (www.pdbj.org)

    左メニューの"Search >>"から、[Sequence-Navigator]を選び、、クエリ配列をコピー&ペーストして、"Find All Homologues"ボタンを押す。ヒットしたエントリの どれかをクリックし、[Download/Display]ボタンを押し、圧縮していないPDB formatの 形式(表の2行目) の"download"ボタンを押して、ホームディレクトリに保存する。 ダウンロードしたファイルを、プログラムRasMolで表示してみよ。

    RasMolの使い方については 立体構造可視化プログラムRasMolの使い方 のPDFファイルを参考にすること。

  3. 3DSTRのディレクトリにある以下のPDBファイル

    を用いて、配布のプリントの課題1課題2課題3 を行いなさい。

    参考スライド
    [疎水性と親水性(球状)] [疎水性と親水性(膜)] [構造クラス] [αヘリックス] [逆平行βシート] [平行βシート]
    [TIMバレル] [βプロペラ] [フェレドキシン] [免疫グロブリン] [P-loop] [ロスマン]

  4. MATRASサーバを用いた簡易ホモロジーモデリング

    参考スライド
    [ホモロジーモデリングとは] [モデルの予測精度]

    インフルエンザウィルスのノイラミニダーゼ(2009.6.30、福岡市で採取) のアミノ酸配列NA_fukuoka.seq

    >NA_fukuoka gi|242346853|gb|ACS92572.1| neuraminidase [Influenza A virus (A/Fukuoka-C/2/2009(H1N1))] 30-JUN-2009
    MNPNQKIITIGSVCMTIGMANLILQIGNIISIWISHSIQLGNQNQIETCNQSVITYENNTWVNQTYVNIS 
    NTNFAAGQSVVSVKLAGNSSLCPVSGWAIYSKDNSVRIGSKGDVFVIREPFISCSPLECRTFFLTQGALL
    NDKHSNGTIKDRSPYRTLMSCPIGEVPSPYNSRFESVAWSASACHDGINWLTIGISGPDNGAVAVLKYNG
    IITDTIKSWRNNILRTQESECACVNGSCFTVMTDGPSNGQASYKIFRIEKGKIVKSVEMNAPNYHYEECS
    CYPDSSEITCVCRDNWHGSNRPWVSFNQNLEYQIGYICSGIFGDNPRPNDKTGSCGPVSSNGANGVKGFS
    FKYGNGVWIGRTKSISSRNGFEMIWDPNGWTGTDNNFSIKQDIVGINEWSGYSGSFVQHPELTGLDCIRP
    CFWVELIRGRPKENTIWTSGSSISFCGVNSDTVGWSWPDGAELPFTIDK
    
    の立体構造を MATRASサーバ(http://biunit.naist.jp/matras) にアクセスして、 予測せよ。

    MATRASサーバの詳細な使い方については MATRASサーバを用いた立体構造予測:簡易ホモロジーモデリング のPDFファイルを参考にすること。

    (1)[Sequence Search vs PDB] を選び、クエリ配列をコピー&ペーストして、"Search"をクリックする。
    (2)BLASTの結果がグラフィカルに表示される。適当なホモログのPDBコードをクリックする。(タミフルの構造が 含まれている3cl2AのPDBを選択すること。)
    (3)ペアワイズアライメントが表示される。Seq-Replaced 3D Structure の[PDBfile]をクリックすると、
    (4)モデル構造のPDBファイルが表示される。
    (5)これをブラウザのメニューの[ページに名前をつけて保存]で、テキスト形式でNA_fukuoka.pdb"というファイル名で保存する。
    (6)保存したPDBファイルをrasmolで表示する。

    予測した立体構造と、 回答用紙に載っているマルチプルアライメントを比較し、保存アミノ酸が 立体構造上、どういう位置にあるか、確認することで、配布プリントの課題4に答えよ。