ゼミナール講演

日時平成10年 6月 17日(水)4限(15:10 -- 16:40)
場所L1

講演者 知念 賢一
所属 情報ネットワーク講座 助手
講演題目 WWW の現状とその研究分野
概要
World-Wide Web(WWW) の登場は現在の Internet の普及に大 きく貢献した、と一般に認識されている。本講演では、WWW の現状と、WWW の課題や可能性から導かれる研究分野を紹介 する。

講演者 土居 元紀
所属 像情報処理学講座 助手
講演題目 画像処理技術のセキュリティ応用 -アクセスコントロールと侵入者検知
概要
民間のセキュリティサービスでは,近年,侵入監視センサや煙・温度センサなどの センサ技術の発達と情報ネットワークの普及にともない,センサ信号を通信回線を 介してコンピュータに接続し,セキュリティルームや遠隔地のコントロールセンタ で一括して監視する警備の形態が主流となってきた.そしてさらに,ただ単にセン サ信号を監視するのではなく,センサ自身が危険を判断し監視員を支援する知能化 センサシステムが望まれている.このセンサとしてテレビカメラを用い,画像処理 を行うことによって監視員の作業を代行するセキュリティシステムが特に注目され ている.画像処理の応用が期待されるのは主にアクセスコントロールと侵入者検知 の二つの分野である.

アクセスコントロールとは,個人を証明する「鍵」と登録情報との照合を行い,部 屋・施設への入室・入館や情報処理システムへのアクセスを管理することである. 最近では,鍵やIDカードに代り,持ち歩く煩わしさがなく,盗難・紛失の危険が ない,個人認証技術の開発が期待されている.この新たな「鍵」として,指紋・網 膜血管パタン・虹彩・手形・耳介,そして顔などの研究がなされている.これら身 体特徴の照合は,画像認識によってなされる.

また,侵入者検知は,危険を回避したり犯罪を未然に防ぐために,敷地や建物など への侵入を検知して警告あるいは通報を行う.侵入者を検知するためには赤外線セ ンサが良く用いられているが,小動物などによる誤報など問題が多い.そこで,テ レビカメラや夜間でも監視できる赤外線カメラを用いて,侵入者と小動物などの他 の物とを区別して検知を行う研究がなされている.また,赤外線カメラに加え距離 センサを用いることによる侵入者検知なども研究されている.

本講演では,これら画像処理技術を応用したセキュリティシステムの研究について, 最近の研究事例を交え,解説する.


講演者 中西 恒夫
所属 計算機アーキテクチャ講座 助手
講演題目 Modulo Interval Arithmetic as a Mathematical Tool for Parallelizing Compilers
概要
Interval Arithmetic(区間演算)は,実数の区間を演算の対象とする算術であり, かつては丸め誤差解析において,最近では自動並列化コンパイラにおける式の Symbolic Analysis において用いられている.実数区間を対象とする Interval Arithmetic を,整数区間を対象とし,かつ剰余の概念を導入して拡張した Modulo Interval Arithmetic を本講では提案し,自動並列化コンパイラにおけるその適用例 を紹介する.

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平成10年度ゼミナール担当:武田 英明、吉川 正俊、関 浩之