ゼミナールI講演

日時(Date): 平成27年5月11日(月)3限 (13:30 -- 15:00)
Mon., May 11th, 2015 (3rd Period, 13:30 -- 15:00)
場所(Location): L1
司会(Chair): 浮田宗伯 (UKITA Norimichi)

講演者(Presenter): 牛場潤一 (慶應義塾大学)
Junichi Ushiba (Keio University)
題目(Title): ブレイン・マシン・インターフェースによる神経治療
概要(Abstract): 昨今の急速なエレクトロニクス技術の発展によって、私たちはヒトの自発的な脳活動を、実環境下で簡便にモニタリングすることができるようになりました。身体に装着できるほど小型になったメカトロニクスを使えば、私たちがおこなおうとする身体運動に外骨格ロボットが介入し、脳に人工的な身体感覚を生み出すこともできます。私たちは、このような理工学技術を組み合わせた「ブレイン・マシン・インターフェース(Brain-Machine Interface, BMI)」を使った医療福祉技術を研究しています。これまでに、重度運動障害者でもBMIを使ってVR環境内を散歩することができる機能代替BMI(BMC Neurosci 2010)や、脳卒中患者の運動回復が進むように脳の状態をチューニングする機能回復BMI(Brain Topogr in press; Front in Neuroeng in press; J Rehabil Med 2014; J Rehabil Med 2011)を開発してきました。身体運動のプロセスと脳の可塑性原理を、一貫した論理性の下で整理して構築するSystems Rehabilitationともいうべき我々のアプローチは、あらゆる治療介入手法を統一論的に解釈し、新たな治療ターゲットとなる疾患、病態、重症度の同定や介入デザインの検討に役立つと考えています。
本講演では、私たちのこれまでの歩みをご覧いただくとともに、研究概念を拡張させて新しく取り組み始めた「脳内情報の遺伝と進化」に関する研究ビジョンもご紹介します。

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