ゼミナールI講演

日時: 平成26年12月10日(水)3限 (13:30 -- 15:00)
Wed., Dec. 10th, 2014 (3rd Period, 13:30 -- 15:00)
場所: L1

講演者: 山本修司 (株式会社リジット/東京工業大学 情報生命博士教育院)
Shuji Yamamoto (LISIT,Co.,Ltd./Tokyo Institute of Technology, Education Academy of Computational Life Science.)
題目: 医用画像ビッグデータによる治験実施プロセスと薬剤標準効果判定手法
概要: 抗がん剤を用いたがん治療やアルツハイマー病などの神経変性疾患治療薬などの安全性と有効性を評価し、論拠に基づいてその価値を定量評価するプロセスにおいて画像診断の役割は、ますます需要度が増している。臨床試験における医用画像解析の市場は、米国の報告では2009年以降、現在までに年間約5%から10%のレートで成長し続けている。治験における撮像プロトコル策定を含めた試験デザイン、データの医学統計的解釈、イメージングモダリティの多様化によってイメージングを用いた治験における治療効果判定の国際ガイドラインはRECISTに代表される一次元計測のオーソドックスなものから免疫反応をイメージングバイオマーカとして評価するir-RECIST(immune related response criteria)や国際タスクフォースによるAmyloid PETによるAppropriate Use Criteriaの適用など、疾患ベースの国際効果判定基準も多様化している。一方、効果判定を実施するためのインフラの整備は、重要な課題である。多施設共同による大規模臨床試験や国際共同治験などは、症例登録数が数千症例にわたる場合も稀ではなく画像データやモニターの業務が分散することによるデータ不整合やデータを一時保管する治験実施施設のスタッフの負担も大きくなり、試験が大規模になるほどデータ汚染のリスクが高くなる。故にセキュアでサーバの設置やソフトウェアのインストールなどの作業を必要としない効率的かつドラッグラグを解消できるDICOMクラウドネットワークシステムを使用することは有効な手段の1つである。本講義では、臨床試験の評価フローにおける画像診断およびイメージング技術の役割および評価フローを効率化する治療効果判定手法をご紹介する。

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