ゼミナール講演

日時: 平成24年4月23日(月)3限 (13:30 -- 15:00)
場所: L1

講演者: 久保 孝富
題目: 格子状電極によって導出した表面筋電図信号からの音声認識
Title: Vowel Recognition Based on Surface Electromyography Derived with Electrode Grid
概要: 構音障害を来した患者では発話が不明瞭となり,コミュニケーション に支障 を来してしまう.しかし,構音障害者へのコミュニケーション支援 の方法は十分に確立されていると言い難く,新たな支援方法の開発に期待 が寄せられている.コミュニケーション支援の目的で行われている研究の 一つとして表面筋電図信号に基づいた音声認識(以下,sEMG-ASR)が挙げ られる.一方で,解剖学的構造を考慮した場合に,sEMG-ASRの先行研究で 用いられてきた計測方法は電極の配置の妥当性に議論の余地が残されてい た.本公演ではsEMG-ASRに格子状電極を導入した我々の研究について紹介 し,従来手法に対する優位性および格子状電極の冗長性に関する評価結果 を示す.
Abstract: Speech of dysarthric patients becomes slurred and makes communication difficult. However, communication assistance methods for dysarthric patients have not been established enough yet. There are great expectations to develop a novel assistance method. In fact, various researches on communication assistance have been done. One of those is a study conducted by Deng et al., which showed the effectiveness of speech recognition based on surface electromyography. However, electrode locations used in those previous studies are still controversial. In this talk, I will introduce our work on the use of electrode grid to show the dominance of the electrode grid over the conventional electrodes and the evaluation results on redundancy of the electrode grid.

講演者: 伊原 彰紀
題目: OSSプロジェクトにおける開発者支援 開発者活動実績に基づくコミッター推薦
概要: 近年,オープンソースソフトウェア(OSS)の大規模化に伴い,OSSプロジェクト に膨大な量の不具合が報告されるようになった.プロジェクトに報告される不具 合は,審査(不具合を修正すべきか審査),修正(修正担当者の決定,及び,不 具合の修正),検証(修正内容の検証)の一連のプロセスを経て修正される.た だし,プロセス中の審査,及び,検証は,一部の開発者(コミッター)のみ実施 する権限が与えられている.コミッターは品質保証上の理由からプロジェクトに ごく少数しか参加していないが,OSSプロジェクトへの参加自由の方針から活動 を停止する者も多数存在する.そのため,プロジェクトは有能なコミッターを常 に確保できる環境を整える必要がある.本講演では,OSSプロジェクト参加者の 中から活動実績に基づいてコミッターに推薦する手法に加えて,OSS開発の現状 を紹介する.

講演者: 武富 貴史
題目: マーカレスAR技術の現状
概要: 現実環境に対して仮想環境を位置合わせし,CGなどの仮想物体を重畳表示する ことで情報を付加する拡張現実感(AR)技術を用いたアプリケーションが数多 く開発されている.ARを実現するためには現実環境と仮想環境との位置合わせ が必須であり,これまでに数多くの手法が提案されている.中でも,自然特徴 を用いたマーカレスAR技術は,多数の人工マーカを配置することが難しい広範 囲の移動を伴う場合や,シーンの美観に配慮する必要がある場合などにおいて 有効であり盛んに研究されている.本講演では,このようなマーカレスAR技術 の現状について紹介する.

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