ゼミナールI講演

日時: 平成22年11月24日(水)3限 (13:30 -- 15:00)
場所: L1

講演者: 出杏光魯仙 (Rosen Diankov) (東京大学)
題目: 動作計画による知的マニピュレーションの完全自動化へ向けて
概要: 工場内では部品と作業が頻繁に切り替わるため、ロボット動作生成や部品認識などに関する様々なシステムの設計や開発に、現状では多大な労力が必要となっている。完全自動化に向けてこの問題を解決するために挑戦すべき課題は、既に決まった作業を解析することにより、ロボットの種類選択、配置の考慮、動作生成などを自動的に行うことである。 本講演ではピッキング作業を対象に、知的マニピュレーションを幾何的に解析し、システムの構成を紹介する。以下の要素技術を詳しく発表する。
  1. 部品に対する把持の安定性と把持集合の計算方法
  2. 逆運動学の解析的な解を自動で求める手法
  3. 効率的な把持計画
  4. アームの到達範囲解析
  5. 作業を行うためにロボット胴体の到達位置分布
  6. 手首カメラによる視認性を考慮した動作計画
上記の全要素技術をまとめて、これからの知的マニピュレーションで大活躍を遂げるロボット・タスクコンパイラーという新しい概念を紹介する。
講演者略歴: 2006 年バークレー大学工学部で電子工学、情報学、応用数学の学位取得。同年カーネギ ーメロン大学のロ ボット研究所に入学、2010年ロボット工学博士課程修了。企業での経 験は、2007年から2年間でインテル株式会社のパーソナルロボットグループと、 2009年に短期間でウィローガレージ社で自律型ロボットシステムの開発。現在日本学術振興会の外国人特別研究員として東京大学情報理工学研究科の稲葉研究室で知的かつ信頼性が高いロボットシステムの開発に従事。主な研究方針は産業用とサービスロボットの知的マニピュレーションを中心に、動作計画、幾何的解析、ビジョンによる物体姿勢推定である。マニピュレーションの動作計画の技術を積んでいるOpen Robotics Automation Virtual Environment(OpenRAVE)という自律型ロボット開発環境の創立者。

ゼミナール I, II ページへ