本講演では航空機のフライトコントロールシステムの設計を例としてLMIベースの制 御系設計の有効性を紹介する.フライトコントロールシステムでは,コントローラが 航空機に接続された状態において1)航空機の運動モードが実用上適切なものであるこ と(固有構造配置),2)設計モデルと実際の航空機の特性に差があっても安定性を失 わないこと(位相,ゲイン変動に対するロバスト安定性)が要求される.従来手法で 困難であったこのような設計もLMIベースのアプローチにより容易に取り扱い可能で ある.