ゼミナール講演

日時平成12年 5月 31日(水)4限(15:10 -- 16:40)
場所L1

講演者 大竹 哲史
所属 情報論理学講座 助手
講演題目 VLSIのテスト容易化設計
概要
近年の半導体技術の進歩により、大規模・高性能VLSIの製造が可能になった。VLSIは 我々の身の回りで広く使われるようになり、その信頼性の確保が重要な課題となって いる。しかし、VLSIの大規模化に伴い、製造されたVLSIに故障がないかを調べるテス トはますます困難な問題になっている。そのため、VLSIの設計の際に、テスト容易性 を考慮する必要がある。本講演では、講演者の提案した、レジスタ転送レベルで設計 されたVLSIのコントローラ部に対するテスト容易化設計法を紹介する。

講演者 蔵川 圭
所属 認知科学講座 助手
講演題目 環境調和型製品設計論
概要
地球環境問題を考慮した様々な活動が分野を問わず,政治,経済,倫理,科学, 工学,市民社会活動,教育等,盛んに行われている.本講演では,産業界におけ る地球環境問題への配慮に焦点を当てる.テレビ,冷蔵庫,洗濯機などの一般消 費者になじみの深い製品は大量に生産されるため地球環境への負荷が無視できな いほどに大きい.そのような製品の環境への負荷を低減するには設計時での対策 が必要不可欠である.環境に配慮した製品設計は,環境調和型設計 (Environmentally Conscious Design)と呼ばれる.本講演では環境調和型設計の 概論と,製品要求の決定プロセスに着目した設計者支援方法について触れる.

講演者 作村 勇一
所属 知識工学講座 助手
講演題目 単一ニューロンの情報処理における神経膜能動特性の役割
概要
脳機能を解明する上で,その構成要素である単一ニューロンの挙動を詳しく調 べることは重要で,computational neuronscience という分野では工学的な手 法を用いることによって,そうした研究を行なっている.本講演では細胞の発 火現象をうまく表現する Hodgkin-Huxley 方程式とその拡張されたモデルにつ いて説明し,その定性的な特徴を生理データとともに紹介する.そしてその応 用として,ニューロンがノイズスパイクとシグナルスパイクの確率的な共振に よって弱い信号を検出する現象(Stochastic Resonance)を利用した情報処理を 行なっている可能性があり得ることを述べる.この現象は,近年議論が続いて いるニューロンのシナプス入力の同時性検出特性との関係とも深い.

ゼミナールI,II予定ページへ戻る

平成12年度ゼミナール担当:笠原 正治, 河野 恭之, 小笠原 司