title: NAIST 21世紀COEプログラム「ユビキタス統合メディアコンピューティング」 成果報告会

ご挨拶

奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科長
21世紀COEプログラム
   「ユビキタス統合メディアコンピューティング」
研究拠点リーダー 千原 國宏

情報科学研究科の「ユビキタス統合メディアコンピューティング」研究教育拠点形成プログラムが、文部科学省「21世紀COEプログラム(情報・電気・電子分野)」に採択されて以来5年、われわれは、情報キャリアとしての「インターネット」と情報コンテンツとしての「視覚・画像メディア」「聴覚・音声メディア」「知覚・音声メディア」「力覚・行動メディア」の統合に関する世界的な研究教育の拠点と位置づけられるよう日夜努力しています。

本拠点形成プログラムは、創設10周年を迎えた2001年度に学長が提示した「NAISTの基本理念」、また国立大学法人化の2004年度に掲げた「中期目標・中期計画」に明記されている

  1. 基盤的な学問領域の深化と融合領域の開拓により、最先端の問題の探求と解明。
  2. 社会の要請が強い課題で、次代の社会を創造する国際的水準の研究成果を創出。
  3. 国際的水準の研究活動を通じて、高い志をもって科学技術の推進に挑戦する人材及び国際社会で指導的な役割を果たす人材の養成。
  4. 倫理観はもとより、広い視野、論理的な思考力、積極的な行動力、総合的な判断力、さらに豊かな言語表現能力を習得できる教育の実施。
  5. 研究成果を人類の知的財産として蓄積するとともに、産学官連携を推進し、大学の研究成果を社会に還元。
を達成すべく作成されました。次世代インターネットの強力なリアルタイム情報発信機能と感覚フィードバック機能を保有したソフトウェアコンテンツやインターフェイスなど、ネットワークを介した我々人間の日常生活と知的活動を支援するための次世代メディア技術の創出と、それを支える高度な研究者・技術者の組織的な育成を図ることにより、知的公共財としての研究成果の社会への還元と人材育成という大学院大学の使命を達成しつつ、国際的に知的存在感のある国造りに貢献すべく努力を重ねています。具体的には、戦略研究開発事業(目標1と目標2の達成)、若手研究者育成事業(目標3と目標4の達成)、国際的拠点形成事業(目標2と目標3の達成)、産学官連携事業(目標2と目標5の達成)の四大事業を、学長の強いリーダシップによる大学や研究科の支援体制のもとで、拠点リーダの強烈な個性で選ばれた事業担当研究者が創意工夫しあいながらトップダウン型の研究教育プログラムを実施しています。実際、没入型複合融合空間における画像メディア研究・ハンズフリー音声認識をベースとする音声メディア研究・日本語形態素解析システム「茶筌」などの自然言語処理を中心とする言語メディア研究・インテリジェントロボットまたシステム制御技術などの行動メディア研究などの感覚支援メディア研究や、情報ネットワーク運用を基盤としたインターネット研究を深化させながら、これらの感覚支援メディア研究とインターネット研究を統合して、人間の行動を支援して快適な生活を創発する「しくみづくり」や「ことづくり」をめざす世界的研究拠点の形成と若手研究者の育成に邁進しています。
しかし、この「しくみづくり」や「ことづくり」の研究成果は、「ものづくり」とは異なり、これが成果だと眼前に「もの」を提示することは困難です。このため、今回の研究成果報告会では、従前に倍する熱意で研究教育に勤しんできた教員と誇りを持って学業に専念してきた学生が、参加された方に研究成果を体感していただくために、さまざまな創意工夫を凝らしています。この機会に、お気軽にご参加いただき、ベスト20大学の名に相応しい本研究科の実力を楽しんでいただくとともに、ラジカルなご批評を賜りますよう願っております。

 

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