ユビキタスコンピューティングシステム研究室の松井 智一さん(博士後期課程1年)らが、国際会議ICMU2021において、Best Paper Awardを受賞しました。(2021/11/19)
The International Conference on Mobile Computing and Ubiquitous Networking(ICMU)は、モバイル通信とそのアプリケーション、アルゴリズム、システム、およびユビキタスサービスとコンピューティング分野の研究開発に関する国際会議です。次世代の分散型およびユビキタスコンピューティングのための先進テクノロジーに特化し、それに掛かる人間行動、ネットワークセンシング、コネクテッドデバイス、その他エンバイロメントについて、活発な意見交換を行っています。13回目となるICMU2021は、11月17日から19日まで東京にてオンラインとのハイブリッドで開催されました。 受賞したBest Paper Awardは、本会議に採録された論文発表のうち、優れた論文1件に与えられる賞です。 |
- 受賞者/著者 Awardees/Authors:
松井 智一、三崎 慎也、佐藤 佑磨、藤本 まなと、諏訪 博彦、安本 慶一
(Tomokazu Matsui, Shinya Misaki, Yuma Sato, Manato Fujimoto, Hirohiko Suwa, Keiichi Yasumoto)
- 受賞研究テーマ
"Multi-person Daily Activity Recognition with Non-contact Sensors based on Activity Co-occurrence"
複数の人が住む住宅の日常生活行動(ADL)を認識することは、「実世界」の家庭環境において、健康管理や行動変容支援などのスマートサービスを提供するために重要である。特に、機器の装着やカメラの設置に抵抗のある高齢者の見守りには、赤外線センサーなどの非接触型センサーによる行動認識が必要である。しかしながら、非接触型センサーを用いた多人数環境でのADL認識システムは、居住者個人を特定することが難しく、よりチャレンジングである。本研究では、複数の居住者がいる一般家庭で、非接触センサーのみで構成されたADLセンシングシステムを用いて収集したデータを分析し、多人数環境でのADLを認識する手法を開発した。多人数環境では、複数の居住者が睡眠などの同じ種類の活動を同時に行うこともあるが、ある居住者が食事をしている間に別の居住者が料理をしているなど、互いに関連する異なる活動を同時に行うことも多い。そこで、このような多人数で行われるADLを認識するために、各家庭における各居住者の行動の共起関係を知識として用い、各居住者の活動履歴の共起関係を特徴量とする機械学習モデルを開発した。提案手法を評価するために、4件の一般家庭において、多人数かつ普段どおりの生活を行うという条件で、1ヶ月間のADLセンシング実験を行った。ディープニューラルネットワークを用いた解析の結果、複数人のADLの共起を考慮する手法により、認識精度が5%向上し、加重F値は66.7%となった。
- 受賞者のコメント Awardee's voice
初めての最優秀論文賞を受賞でき、非常に嬉しく思っております。これを励みに、今後とも研究活動を頑張りたいと考えております。
- 外部リンク Links to:
ICMU2021 HP: https://www.icmu.org/icmu2021/