情報セキュリティ工学研究室の大須賀 彩希さん(博士後期課程1年)が、2019年ハードウェアセキュリティ研究会若手優秀賞を受賞しました。(2019/12/06)
社団法人電子情報通信学会、ハードウェアセキュリティ研究会は、ハードウェアとして存在するシステムのセキュリティに関して広く取り扱い実用システムにおけるセキュリティの向上を目指した研究会です。 若手優秀賞は年間を通じて優秀であった若手の研究発表の中から委員の投票により決定されました。 授賞式は、12月6日に浅草橋ヒューリックカンファレンスにて開催されたハードウェアセキュリティフォーラム2019で執り行われました。 |
- 受賞者 Awardee:
大須賀 彩希(D1)
受賞研究テーマ Research theme:
"TERO-based TRNGに対する周波数注入攻撃時の出力ビット推定手法に関する基礎検討"
リングオシレータ(RO)をエントロピー源に使用した真性乱数生成器(TRNG)は論理ゲートのみで構成可能なことから、多くのデバイスで使用されている。そのため、攻撃により乱数性の低下が生じた場合、システムのセキュリティに影響を与える可能性がある。これまで、上述のTRNGに対する物理攻撃として、乱数の一様性を低下させる攻撃手法が提案されてきた。一方、乱数性の要件の一つである予測不可能性に対する攻撃の実現可能性については十分に議論されておらず、仮に出力ビットの一部が推定できた場合はセキュリティに使用される乱数のエントロピーを大きく低下させ、脅威となる可能性がある。本研究では、TRNGの予測不可能性への攻撃として、出力ビットを推定する手法について基礎検討を行う。具体的には、一様性を低下させる攻撃手法の一つである周波数注入攻撃と攻撃によって一様性が低下したTRNGの動作の取得を組み合わせ、出力ビット列の一部を推定可能であることを示す。
- 著者 Authors:
大須賀 彩希, 藤本 大介, 林 優一
- 受賞者のコメント Awardee's voice
今回、このような栄誉ある賞をいただくこととなり、光栄に思います。本賞を励みに今後も研究に邁進していきたいと思います。
- 外部リンク Links to:
ハードウェアセキュリティ研究専門委員会 HP: http://www.ieice.org/~hws/