受賞研究テーマ Research theme:
"真性乱数生成器に対する周波数注入攻撃時の出力ビット推定手法に関する基礎検討"
リングオシレータ(RO)をエントロピー源に使用した真性乱数生成器(TRNG)は論理ゲートのみで構成可能なことから、多くのデバイスで使用されている。TRNGが出力する乱数はセッション鍵やノンス、マスキング等の様々な用途に利用される。TRNGの乱数性には一様性、再現不可能性、予測不可能性が求められ、乱数の品質は暗号プロトコルに大きく影響する。なかでも、TRNGの予測不可能性が低下し、暗号プロトコル中で使用されるTRNGの出力ビットが推定できた場合、システム全体のセキュリティが大きく低下する可能性がある。本研究では、TRNGの予測不可能性への攻撃として、出力ビットを推定する手法について基礎検討を行う。具体的には、一様性を低下させる攻撃手法の一つである周波数注入攻撃時のTRNGの動作を取得することで出力ビット列の一部を推定可能であることを示す。