情報セキュリティ工学研究室の大須賀彩希さん(博士前期課程2年)が、暗号と情報セキュリティシンポジウムにおいてSCIS論文賞を受賞しました。(2019/1/22)
暗号と情報セキュリティシンポジウム(SCIS)は暗号と情報セキュリティ技術に関する最新の研究成果を発表および情報交換を目的としたシンポジウムです。 SCIS論文賞は、SCISの発展と活性化、並びに、暗号と情報セキュリティ分野で活躍する若手の奨励を目的とした賞で、情報セキュリティシンポジウム2018で発表された論文を対象に選出されました。授賞式は、1月22日から25日まで琵琶湖大津プリンスホテルで開催されている暗号と情報セキュリティシンポジウム2019にて執り行われました。 |
- 受賞者 Awarde:
大須賀 彩希
- 研究テーマ Research theme:
"サイドチャネル情報を用いた乱数生成器への非侵襲な周波数注入攻撃"
リングオシレータ(RO)を使用した真性乱数生成器(TRNG)は回路構成が単純であることから、多くのデバイスで使用されおり、攻撃によりセキュリティの低下が生じた場合、多くのシステムへの影響が生じる。これまで提案されてきたROベースのTRNGへの攻撃はデバイスのごく近傍で、デバイスもしくはデバイスが実装されている機器への改変・侵襲による攻撃によってTRNGの乱数性を低下させてきた。しかし、デバイスの設置場所や耐タンパー性によっては、デバイスへの物理的な接近や実装の操作・改変は困難な場合がある。本稿では、TRNGから生ずるサイドチャネル情報を用いた乱数性の推定と、デバイス遠方からの電磁波注入により、非侵襲にROベースのTRNGの乱数性を低下させる攻撃が成立することを示す。
- 著者 Authors:
大須賀 彩希、藤本 大介、林 優一、本間 尚文
Arthur Beckers、Josep Balasch、Benedikt Gierlichs、Ingrid Verbauwhede
- 受賞者のコメント Awardee's voice
今回、このような栄誉ある賞をいただくこととなり、光栄に思います。本賞を励みに今後も研究に邁進していきたいと思います。 - 外部リンク Links to:
情報セキュリティ研究会 受賞者ページ:https://www.ieice.org/~isec/award-SCIS.html