ロボット対話知能研究室の李 相明さんら(博士後期課程1年)と大中 緋慧さん(博士前期課程1年)らが、言語処理学会第31回年次大会においてそれぞれ委員特別賞を受賞しました。(2025/3/13)

 言語処理学会年次大会は、日本の言語処理研究の成果発表の場として年1回開催されている大会です。第31回年次大会(NLP2025)は、2025年3月10~14日の日程で出島メッセ長崎にてハイプリッド開催されました。
委員特別賞:発表論文の4%程度に対し、「新規性」や「有用性」、「将来性」に関連する観点で光るものを大会委員で選出し、大会委員長名義で表彰するものです。本年度は対象726件中32件に授与されました。
*学年・所属は受賞当時
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委員特別賞 1:

  • 受賞者/著者 Awardees/Authors:
  •  李 相明(博士後期課程1年)、河野 誠也、吉野 幸一郎

  • 受賞研究テーマ Research theme:
    "大規模マルチモーダルモデルにおける、言語に内在する曖昧性を視覚情報で解消する性能を試験的に収集したデータで評価"
     自然言語の曖昧性の解消は、システムとユーザ間の意味共有を達成するための課題であり、特にユーザの要求を遂行するロボットシステムの場合実世界での視覚情報と言語意味を統合して理解する必要がある。本研究は試験的に集めたテストデータで既存の大規模マルチモーダルモデルの性能を評価し、エラーケースの分析を通じてモデルが持つ弱点と、評価データセットに求められる課題を考察した。
  • 受賞者のコメント Awardee's voice
     新規性・将来性の観点での評価を頂き感謝致します。

委員特別賞 2:

  • 受賞者/著者 Awardees/Authors:
     大中 緋慧(博士前期課程1年)、河野 誠也、大西 一誉(博士後期課程1年)、吉野幸一郎
  • 受賞研究テーマ Research theme:
    "リアルタイム音声対話システムのための応答タイミングと短文応答の同時予測"
     対話における応答タイミングは発話者の意図を表現するための有用な手段です。この観点から応答タイミングを予測する手法の研究が進んでいます。他方で、このような手法を有効に活用するためには、音声合成などの生成モジュールの遅延を緩和する仕組みが必要となります。このような背景に基づき、応答タイミングと遅延緩和のための短文応答を同時予測するモデルを提案しました。提案手法は応答すべきか否かを連続的に予測しながら、応答と判定した際に対照学習に基づくランキング付けにより適切な短文応答を選びます。二つのタスクでの客観評価を行い、応答タイミング、短文応答選択の両方で同条件の比較手法に対して優れた結果であることを確認しました。

  • 受賞者のコメント Awardee's voice
     この度は委員特別賞に選出いただき大変光栄に思います。「将来性」を高く評価されての受賞ということで、それに見合うような発展が見せられるよう、今後とも精進していきます。

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