ウェアラブル仮想タブレット 〜ステレオカメラを用いた指先3次元位置推定〜
松原 利之 (0151097)
本研究は、ウェアラブルコンピュータ向けの入力インタフェースの構築を目標とした。ウェアラブルコンピュータ向けの入力インタフェースに,身近にあるノートといった四角い平板を手に持ち,指先でなぞることで,手書き入力が行える『ウェアラブル仮想タブレット』がある.『ウェアラブル仮想タブレット』は,手に特別な装置を装着する必要が無く,様々なコンテンツ入力が可能であるが,従来の『ウェアラブル仮想タブレット』は赤外線反射光を利用して平板,指先の3次元位置推定を行っていたため,環境光の影響を強く受けてしまい,使用環境が限られていた.本研究では,ステレオカメラを用いることで,環境光の変化にロバストな『ウェアラブル仮想タブレット』を提案する.
しかし,指にはテクスチャといった特徴が無いため,カメラ間で同じ対象物体を対応付けるステレオ距離計測法による3次元位置推定が困難である.テクスチャといった画像の見かけ情報が使えない場合,対象のシルエット情報を使う視体積交差法の適用が考えられるが,ステレオカメラから得られる視体積は,ステレオカメラの光軸方向に大きく伸張されるため,通常,指先の3次元位置を求めることができない.そこで,本研究では,「左右のカメラで得られた手のシルエットから復元できる 3次元指形状」と「指先モデルテンプレート」とのマッチングによって,指先の3次元位置を求める手法を考案した.