fMRI内で使用可能な光学式力センサの開発
高橋 倫久 (0151057)
近年の脳機能研究においてfMRIが広く応用されている.あるタスク実行時と平常
時の脳の活性を比較し差分を取ることでそのタスクに固有の活動領域を同定可能
である.様々なタスクの中で,物体の把持運動タスクにおける脳の運動機能解析
では,人の脳活動計測と同時に把持力を精度良く計測することが必要である.し
かし,fMRIは強磁場により脳活動を画像化するため,歪みゲージ式など従来の力
センサは使用できない.
これらの問題を解決する光ファイバを利用した光学式2軸力センサが佐々木らに
より開発された.これは変位の検出に光を用い,光の伝達に光ファイバを使用す
ることでセンシング部から磁性体を排したものである.
しかしながらこの光学式力センサは従来の歪みゲージ式多軸力センサと比べ精度
面で十分でなく,ファイバへの接触が出力に影響を与える問題が残っている.
そこで本研究では,ファイバの固定方法,演算回路を見直すことで精度および安
定性に関する改善を行い,これを1軸力センサを製作することで確認した.また,
これを適用した6軸力センサを製作し,fMRIにおける脳機能に関する基礎実験を
行い,有用性を確認した.