四足歩行ロボットの視覚に基づく行動制御

馬場 豊文 (9851086)


<修士論文のアブスト>

歩行ロボットは車輪型などの形態の移動ロボットと比べて不整地の走破性が高く、 階段や単独の段差などで行動範囲が限定されないため、実世界を移動するロボット として非常に有利である. 歩行ロボットが急斜面、段差などの不整地で行動するためには 視覚による環境情報の習得が必要不可欠である. 従来の視覚を用いた歩行ロボットの研究では別々に開発されてきた視覚認識技術と 歩行ロボットを組み合わせたものがほとんどであり、歩行ロボット特有の 機能を利用した視覚認識の実現についてはあまり報告されていない.

そこで本論文では、多くの歩行ロボットが歩行を実現するために必要な 最小自由度以上の冗長な自由度を有していることに着目し、 これらの冗長自由度を利用して、 ロボットの足に設置した単眼カメラを上下することでモーションステレオを行い、 それで得られた環境情報を基に歩行ロボットの行動を生成する手法を提案する. 具体的には階段の水平ラインに着目してモーションステレオを行い、 階段の段差と奥行き及び階段からロボット本体までの距離を認識し, ロボットに階段を登らせることを目的とした.

本手法の有効性を検証するため、四足歩行ロボットTITAN-VIIIを用いて実験を行い、 実際に階段を登ること可能であることを示した.