2007.12.11-15 アメリカ合衆国・フロリダ、マイアミビーチ
Annual Computer Security Applications Conference (ACSAC)
インターネット工学講座:博士後期課程2年
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【発表内容】
今回の発表内容は機器間通信に適したセキュリティモデルの提案とデモシステムの紹介であった。 本発表ではマイクロサーバとICチップソフトウェアを組み合わせた実証実験の結果を説明した。

【会議の内容】

今回参加した ACSAC (Annual Computer Security Applications Conference) は第23回を数える歴史のある会議である。セキュリティ応用技術の発表が多い会議であり、招待講演では米国の国防関連や古典的なアクセス制御モデルからセパレーションカーネルの話まで幅広い話題に触れることができた。特に興味深かった発表は IBM Research の IBM POWER Hypervisor に強制アクセス制御の機能を組み込むというものであった。

【研究技術交流等】
ACSACには日本からも多くの研究者が情報収集の為に参加しており、研究機関や情報関連の主要な企業の研究者とも交流ができた。

2008.12.6-13 アメリカ合衆国・フロリダ
International Workshop on "Sensing Web"
International Conference on Pattern Recognition
知能情報処理学講座:博士前期課程2年
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【発表内容】
題目:動線に基づく歩行者相互関係推定
内容:人物の位置や速度といった動線情報のみから、観測された人物群が知人か他人かを推定することを目標とする。知人間では行動にインタラクションが発生し、インタラクションとはお互いに影響を及ぼしあうことだと考え、人物間の影響度合いを動線から抽出する。本発表では、基礎実験として知人・他人の二組の動線間の関係を推定し、本手法の検証を行った結果を示した。

【会議の内容】

ICPRに併催された"Sensing Web"というワークショップにて発表を行った。
"Sensing Web”ワークショップとは、カメラやマイクなどから得たセンサー情報をだれもが自由に扱えるウェブ情報へ進化させることを目指し、以下の三つの研究分野に関する技術について議論するための会議である。
私はSensing Webの発表の中で、屋外型複合現実感に関する研究に興味を持った[1]。この研究は、大量に設置された監視カメラ映像から壁を隔てた先の映像を生成することで、現在の視点からの壁の先の映像を見ることができるという研究だった。セキュリティだけでなく、様々な応用が期待される面白い研究だと感じた。また、ICPRの発表では、私の研究と関連のある、監視カメラ映像中の異常状態を検出する研究に興味を持った[2]。この研究は、主に歩行者が通る通路を車が通った時や、歩行者の激しい動きが観測された時などを異常状態として検出していた。動画を用いて結果を見せていたのだが、とても分かりやすい表現で参考になった。

[1] I. Kitahara, S. Yamazaki, T. Tsuda, Y. Kameda, and Y. Ohta, “Visual Augmentation Methods for Surveillance Cameras by Using Mixed Reality”
[2] Nahum Kiryati, Tammy Riklin Raviv, Yan Ivanchenko, Shay Rochel, “Real-Time Abnormal Motion Detection in Surveillance Video”

【研究技術交流等】

ワークショップの発表では数人の方から質問や参考になるコメントをいただくことができ、会議後も他の方からとても鋭いコメントをいただいた。また、全体を通して多くの研究者の方々と交流を持つことができた。ICPRのポスターセッションではいくつか質問をさせていただいた。英語での質疑だったので深い議論はできなかったが、海外の研究者と交流でき非常に有意義だった。このような貴重な機会を頂きました大学院教育改革支援プログラムに感謝する。

*謝辞
  本研究を進めるにあたり、研究内容だけでなく、研究者としてあるべき姿など様々な面で御指導を賜りました木戸出正繼教授、波部斉助教に心より感謝の意を表します。また、英語での発表だった今回のプレゼンテーションを行うにあたり、スライド、スピーチの内容共に厚く御指導いただいた英文デスクサービスのMr. Josh Lewisに心より御礼申し上げます。最後に、本研究を進めるにあたり多大なるご協力を頂きました知能情報処理学講座の諸氏に感謝の意を表します。