2007/10/27-11/3 アメリカ合衆国・ハワイ
IEEE NSS&MIC (Nuclear Science Symposium and Medical Imaging Conference) 生命機能計測学講座:博士前期課程2年
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【発表内容】
私の研究内容はPET画像を用いて生理学的なパラメータを測定するために必要な小動物用の小型で高感度なポジトロン検出器を2層のGSOシンチレータを用いて開発することです。発表は開発した検出器の概要及び性能評価について行いました。 【会議の内容】 今回参加したIEEE NSS&MICは放射線技術及び医用画像に関する学会です。今回は、開催場所がハワイということもあり、アロハシャツを着た参加者もいる状況の中で学会は非常に和やかな雰囲気で進められました。 特に興味を持った発表はKriplaniらによる"Feasibility studies for extracting an Input function for Quantitative Positron Emission Tomography using a Wrist Scanner"です。これは手首の動脈中のポジトロン濃度を測定するために手首を小動物用のPETに設置して測定する研究でした。通常は全身用のPETから測定するが、この発表では分解能の小さい小動物用のPETをあえてヒトに用いて測定している点で非常に面白いと感じました。 【研究技術交流等】 2つの学会から参加者がいたため、自分に近い分野からの意見だけでなく他の分野の方からの思いもよらない視点からの意見を頂くことが多く、勉強になった。 |
2009/3/15-3/19 アメリカ合衆国・ハワイ
IWIA'09 (International Workshop on Innovative Architecture for Future Generation High-Performance Processors and Systems ) コンピューティング・アーキテクチャ講座:博士前期課程2年
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【発表内容】
「An Instruction Decomposition Method for Reconfigurable Decoders」と題した口頭発表. 近年,メディアプロセッサをベースにマルチメディア命令セットに加えて汎用命令セットを実行する機構を備えるプロセッサが登場している. しかし,組み込み機器では,多種の汎用命令セットがさまざまな機器で採用されており,単一の命令セットに対応できるだけでは, プロセッサとしての用途が限られてしまうため,異なる命令セットに対応することが求められている. 従来技術として,性能重視のハードウェアと柔軟性重視のソフトウェアによる命令変換手法または命令分解手法がが多く提案されている. 性能と柔軟性にはトレードオフの関係があり,これらの両立が求められている. そこで,本発表ではメモリに書き込まれた情報を元に分解を行い,メモリの情報を書き換えるだけで異なる命令セットに対応できるメモリ型命令デコーダを提案する. パイプラインシミュレータによる性能評価と回路面積の見積もりの結果,ソフトウェアエミュレーションの6倍の性能を達成し, ハードウェアで設計した場合の1.36倍の回路面積で実装できることがわかった. 【会議の内容】 本研究会は将来の計算機技術について大学と企業の研究者が議論することを目的として開催されている. Jun Yaoらによる「A Stage-Level Recovery Scheme in Scalable Pipeline Modules for High Dependability」では, 近年,プロセッサやトランジスタにおけるDMR(Dual Modular Redundant)やTMR(Triple Modular Redundant)により信頼性を向上させる技術が多く提案されている中, パイプラインステージレベルでのDMRやTMRにより,エラーを検出時にプログラム中の該当命令から再実行することで,従来より高速な実行を実現している. DMRやTMRといった信頼性を向上させる技術はアイデア自体は単純なものであるが,高性能化や回路面積削減を追求する課題が残されていることを知った. 【研究技術交流等】 海外の研究者から提案手法の実装方法と仕組みについていくつか質問を受け,少しでも理解してもらえるよう説明した. 次の海外発表では,さらに良い発表を行えるよう博士後期課程での研究に取り組んでいきたい. 最後に,修士論文のテーマを海外発表できるまでご指導とご討論を頂いた先生方と学生の皆様に感謝致します. |