2007.12.13-20 エジプト・カイロ
The 7th IEEE International Symposium on Signal Processing and Information Technology (ISSPIT)
論理生命学講座: 博士後期課程1年
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【発表内容】

楽器音の特徴を表現する従来手法は多数あるが,それらはあらかじめ特徴を仮定(たとえば線形予測分析の係数によって楽器の特徴が表現できる,など)し,仮定した特徴の中から発見的に楽器分類に使用する特徴が選ばれている.そこで,提案手法ではスペクトル情報を直接使用し,そのスペクトル情報に対して主成分分析(PCA)とフィッシャー判別分析(LDA)の二つの次元圧縮法をおこない特徴数を削減する.この特徴(PCA-LDAとよぶ)を使用して楽器判別を行った結果,8楽器においてわずか10の特徴数で91%の判別率となった.これは従来手法と比較してもはるかによい結果である.

【会議の内容】
今回参加したISSPITという会議は信号処理とITがテーマであり,画像・音声・ネットワークなどの特定の応用における信号処理技術だけでなくパターン認識や特徴抽出といった様々な分野に応用できる内容の発表もあった.虹彩判別をテーマにし,従来手法である2次元ガボールフィルタを基にしている.ガボールフィルタによって,振幅と隣接したピクセルの位相差を抽出することが可能であるが,その相対性を利用することで虹彩判別の結果をより優れたものにするといった内容の発表があった.どの従来手法と比較しても良い精度であったが,データベースの詳細(何人のデータを使用しているのかなど),計算量はどれくらいなのか,ガボールフィルタから抽出される特徴がすべて色彩判別に使われているのかという疑問が残った.

【研究技術交流等】

食事やバンケットでは,海外の研究者と交流する機会があった.学会のテーマが広すぎたために参加者の専門分野が異なり,研究に関する意見交換はあまり出来なかった.私自身の発表については,データや分類手法の詳細情報について質問されることが多かった.