【発表内容】
「Control formula for nonlinear systems subject to convex input constraints using control Lyapunov functions」
【会議の内容】
本会議は,制御理論分野における最も重要な国際会議であり,基礎的な制御理論から応用分野に至るまで,幅広いテーマの研究発表が行われていた.
今回は,特に非線形システムに関するセッションが多く設けられており,非線形制御への関心が高まっていることを感じた.その中でも,次の2件の発表が大変興味深かった.
「 Uniting two control Lyapunov functions for affine systems」
(Vincent Andrieu and Christophe Prieur, TuB01.2)
本論文は,2つの制御Lyapunov関数(CLF)を結合させる問題を扱っている.
この問題は,制御則の大域的安定性と局所的な性能を両立させるために重要であり,本論文ではそのための十分条件が示されている.具体的にどのようにCLFを結合するのかについては今後の課題であるが,理論・応用の両面から興味深いテーマである.
「Robust constraint satisfacation for continuous-time nonlinear systems」
(Mathias Burger and Martin Guay, TuA01.2)
本論文は,状態制約と未知パラメータを含む非線形システムに対して,状態制約を満たしつつシステムを漸近安定化するような制御則設計法を提案している.
具体的には,座標変換を用いて状態拘束を扱いやすい形に変換し,その後バックステッピングに似た再帰的な設計法を用いて制御入力を設計している.
適用できるシステムのクラスは限られるが,とても使いやすい制御則だと思った.
【研究技術交流等】
研究発表に関しては,今後の研究の進め方に関して非常に参考になる意見を聞けた点が良かった.
また,多くの著名な研究者の講演を聞けたことも,今後の研究の刺激になった.
最後に,このような貴重な機会を与えていただいた大学院教育改革支援プログラムに感謝します.
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