2008.3.12 - 14 マルタ共和国
3rd International Symposium on Communications, Control, and Signal Processing (ISCCSP2008)
情報コミュニケーション講座: 博士前期課程2年
ReportImage
【発表内容】
無線LANやディジタル放送などで利用が広がっているOFDM通信方式の欠点の1つに、OFDM信号が高いピーク電力を持つことが知られています。
  ピーク電力の削減法としてクリッピング&フィルタリング法が知られていますが、欠点として、クリップした信号がフィルタリングにより再びピークを持ってしまうため、クリッピング&フィルタリングを複数回繰り返す必要のあることが挙げられます。
  発表では、繰り返しなしでピーク電力を抑える手法としてディープクリッピング法を提案しました。また、計算機シミュレーションにより、同一の信号品質の制約下で、通常のクリッピング&フィルタリングよりもピーク電力を抑圧できることを確認しました。

【会議の内容】

この会議は通信・制御・信号処理の3つの分野が主体となったもので、幅広い分野の話が聞けることが特徴です。発表は300件ほどと多く、ヨーロッパをはじめ世界各国から多くの研究者が集まっていました。
  私の研究分野のOFDM関連はかなり発表が多く、発表やポスターをざっと見ただけでも、フィルターのピーク電力への影響の解析、シンボル同期のブラインド推定をはじめ多数あり、活発な議論が交わされていました。
  中でも、ある時空間符号を適用することにより、高速移動中でも安定してOFDM通信を行う研究についての発表があり、高速移動中のディジタル放送安定受信のプロジェクトに関わっていた私としては大変興味深く聞かせていただきました。

【研究技術交流】

私の発表はポスター形式だったため、発表を聞きに来てくださった方と議論や雑談を通じて交流を図ることができました。私の研究内容に関する質問応対のほか、似たテーマを研究されている方が聞きにこられた際には、逆に研究内容を紹介していただいたりしました。
  また、懇親会ではロシアからこられた学生の方と席が隣になり、お互い英語が苦手ながら、互いの研究内容の話や雑談などで交流を図ることができ、大変楽しい経験になりました。