2007.10.20-27 ギリシャ・クレタ島、ハニア
The 10-th ACM International Symposium on Modeling, Analysis and Simulation of Wireless and Mobile Systems (MSWiM2007) インターネット工学講座:
博士前期課程2年
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【発表内容】
将来、ユビキタス環境では、複数の無線LANが連続し、途切れの無い無線ネットワークを構成していることが予測される。 そこで、本研究では、ユビキタス環境下で必要となる、移動時に最適なアクセスポイントを選択する手法の提案を行った。 アクセスポイントの選択は、無線LANの受信電波強度を用いる方式や、アクセスポイントの送信フレームを改変し、アクセスポイントから端末を制御する方式が提案されているが、ユビキタス環境では電波強度のみでは検知できない無線干渉や端末数の増加によるフレームのコリジョンなどに起因する性能の低下や独自の改変による互換性の消失といった問題が発生する。 そこで、本研究では、アクセスポイントの改変は行わず、受信電波強度に加えて無線再送の回数を利用して端末が自律的に無線LANの性能を評価し、最適な無線LANを選択する方式をとる。その結果、受信電波強度では検知できない無線LANの性能を検知でき、最適な無線LANの選択が行えたことを示した。 【会議の内容】 興味深い発表として、アプリケーションが無線ネットワークの情報取得や制御を行える様にするアーキテクチャの提案がある。 この研究では、アプリケーションが無線性能を取得して、その無線性能に最適化した通信を行う事を想定し、実際に提案する機構と アプリケーションを実装し、その性能を示している。 実際の無線環境では、予測が困難な環境依存による通信性能の劣化が発生するため、通信制御のみでは対応が困難となる。 そういった環境で、アプリケーションが無線性能に適した通信を行うというアプローチは興味深かった。 【研究技術交流等】 今回はデモ発表であったため、研究に対する細かな説明ができた。特に、提案手法が動作している機器を見せながらの説明で あったため、実際の状態を示しながら、きちんと説明ができたと考えている。同時に、現在までに行った研究の紹介も同時に行い、興味をもっていただけたと考えている。デモでは、20〜30人と詳細な議論をかわす事ができ、有益な情報交換の場となった。 |