ヒューマンウェア工学研究室(パナソニック株式会社)

センシングと人工知能の組み合わせによる、新たなソリューション創出を目指す研究を行います。

教員

  • 佐藤 佳州

    教授:佐藤 佳州

  • 岡田 雅司

    准教授:岡田 雅司

研究を始めるのに必要な知識・能力

研究対象に関する知識として、ステレオマッチング、ライトフィールドカメラ等のコンピュータビジョンに関する知識、ベクトル解析、フーリエ解析、凸最適化、統計解析等の数学の知識、レンズ、ミラー等の光学系に関する知識のうち、少なくとも一つ。研究を進めるための能力として、プログラミング、データ解析、資料作成の能力。

研究室の指導方針

課題解決能力だけでなく課題設定能力の重要性に気づき、自立かつ自律した研究者の育成を目指します。

この研究で身につく能力

アルゴリズム開発だけにとどまらず、センシングと知識処理の融合によりトータルシステムで最高性能を実現するシステム構築能力を身に着け、あわせて学会発表等で必要となるプレゼンテーション能力も身に着けられます。

修了生の活躍の場

電機メーカー等

研究内容

近年の人工知能技術の急速な進歩を受け、各種センサデータと知識処理の組み合わせによる新しいシステム・アプリケーションの実用化が進みつつあります。本研究室では、センサデータからの効率的な情報抽出技術に取り組み、車載や監視向けの人物検出や車等の物体検出、また、高齢者向け介護支援技術を実現する研究を行います。

センシング技術と人工知能の組み合わせによる生体情報分析技術

近年の高齢化に伴い、寝たきりの予防や、介護の負担軽減が社会的な課題となっています。一方で、介護の現場では、高齢者の状態を見守るセンサの導入や電子的な介護記録システムが受け入れられつつある状況にあります。本研究室では、介護・医療施設と連携のもと、センシングと人工知能を用い、高齢者の状態予測に基づいた効果的・効率的な介護支援の実現を目的とした研究を行います。具体的には、(i)センサ情報からの高齢者の運動・認知機能の定量評価、(ii)高齢者の状態把握に基づいたケアプランの作成・改善支援といった取り組みを行います。これらの技術によって、従来人間の感覚に頼っていた高齢者の状態把握を定量的に行い、介護度の維持・改善に適した方法を導き出す支援を実現することを目的としています。

マルチモーダル入力による認識性能の向上に関する研究

近年進歩が著しい深層学習に対し、その性能をさらに高めるためにマルチモーダル入力が期待されています。マルチモーダル入力の一例として、2次元的な画像に加えて奥行き情報を入力することにより、認識性能を高めることに取り組みます。具体的には、コンピュテーショナルフォトグラフィの枠組みにより、ライトフィールドカメラ、多視点カメラ、マルチピンホールカメラ等によって2次元的な画像の入力と同時に奥行き情報を取得し、これらの入力を認識処理することにより認識性能の向上を図ります。

研究業績・共同研究・社会活動・外部資金など

  • Satoshi Sato, Nobuhiko Wakai, Kunio Nobori, Takeo Azuma, Takamichi Miyata, Makoto Nakashizuka: Compressive color sensing using random complementary color filter array. IAPR MVA 2017: 43-46 (2017).
  • Satoshi Sato, Motonori Ishii, Yoshihisa Kato, Kunio Nobori, Takeo Azuma: Compressive Sensing Reconstruction Using Collaborative Sparsity among Color Channels. IAPR MVA2015(International Association of Pattern Recognition, Machine Vision Application) Tokyo, Japan, May 21, (2015).
  • 澤田好秀,佐藤佳州,中田透,氏本慧,林宣宏:深層学習に基づく転移学習を用いたたんぱく質解析による敗血症識別,電子情報通信学会論文誌D,Vol.J100-D,No.8,pp.733-741,2017.
  • 佐藤佳州, 高橋大介:対局に基づいた教師データの重要度の学習,情報処理学会論文誌, Vol.55, No. 11, pp.2399-2409, 2014.