ユビキタスコンピューティングシステム研究室の冨田 周作さん(博士前期課程2年)らが、DICOMO2021において優秀論文賞を受賞しました。 (2021/9/14)

 情報処理学会 マルチメディア, 分散, 協調とモバイルシンポジウム(DICOMO)は、平成9年度の初開催以来、インターネットを中心とした通信技術から、マルチメディア通信、分散システム、グループウェア、モバイルコンピューティング、ITS、ユビキタス、セキュリティやデジタルコンテンツクリエーションに関する分野の研究について、学術的な研究論文のみならず、事例報告、問題提起などの論文も対象として、活発な議論を行っています。DICOMO2021は、2021年6月30日(水)~7月2日(金)にオンラインにて開催されました。 award
  • 受賞者 Awardee/著者 authors:
     冨田 周作、中村 優吾(九州大学)、諏訪 博彦、安本 慶一

  • 受賞研究テーマ Research theme:
    "観光オブジェクト認識モデルのユーザ参加型構築手法の提案"
     近年、個人が撮影した写真などプライバシ 情報を含むデータそのものをサーバに集約することなく、認識モデルの構築に必要なパラメータを用いて機械学習を行う手法としてFederated Learningが注目を集めている。しかし、Federated Learningは、大きな計算能力と記憶容量を備えた集約サーバの設置が前提となっており、観光情報提供のシナリオにおいては、観光客が持つ端末と集約サーバ間の通信や端末上でのモデル更新が高頻度に行われるため、ユーザ端末の大幅な電力消費が発生する。そのため、これらの負担を抑制しつつ、効率的にモデル構築するための手法が必要となる。本研究では、観光客が持つ端末間での直接的な通信を活用したFederated Learningに基づくモデル構築の手法を提案する。また、より少ない通信回数で、認識モデルの精度を効率的に向上させるために、FedAvg(モデルパラメタを平均する方法)に基づくモデル統合手法の特性を網羅的に調査した。評価実験では、10クラスのオブジェクトのデータセットであるCifar10の一部を訓練したCNNモデルを231個構築し、各組み合わせのモデル統合で得られるaccuracyを記録した。評価結果より、VGG16の全体のパラメタ同士を単純平均で統合する場合、37315パターンで最も多くaccuracyが統合前の自身のモデルと比較して向上した。この結果に関して、FedAvgを適用する相手のモデルのaccuracyが自身のモデルよりも高い場合accuracyが向上する傾向にあり、相手のモデルパラメタの統合の判断が可能となることを示した。
     
  • 受賞者のコメント Awardee's voice
     この度、優秀論文賞をいただきまして大変嬉しく思います。私の研究を担当してくださっている教授方に手厚い論文添削や研究に対するアドバイスをしていただいたりととてもお世話になっており感謝しております。これからも研究活動に精進したいと思います。

  • 外部リンク Links to:
    DICOMO2021シンポジウム HP: https://dicomo.org/

>> ユビキタスコンピューティングシステム研究室 / Ubiquitous Computing Systems lab.