知能コミュニケーション研究室の帖佐克己さん(博士前期課程2年)が、情報処理学会 第241回自然言語処理研究会(SIG-NL 241)において、若手奨励賞を受賞しました。(2019/8/30)

 第241回自然言語処理研究会は、2019年8月29日および30日に小樽商科大学で開催されました。自然言語処理研究会若手奨励賞は、若手研究者を奨励することを目的として、優秀な論文発表を行った若手に対し研究会参加者の投票によって選考するものです。
  • 受賞者 Awardee:
    帖佐 克己
    Ueda
    写真は帖佐 克己さん

  • 受賞研究テーマ Research theme:
    "英日同時翻訳のためのConnectionist Temporal Classificationを用いたニューラル機械翻訳"
     我々は日本語・英語間のような語順の大きく異なる言語間におけるリアルタイム翻訳という非常に困難なタスクに取り組んでいます。 本研究は、ニューラル機械翻訳モデルにおいてこのタスクで必要とされる適応的な訳出タイミングの決定を行う方法について取り組んだ研究です。提案手法では訳出を行わないことを表す特殊な単語をモデルが出力できるように改良します。また、訳出タイミングの正解情報がわからないという問題を解決するために、Connectionist Temporal Classification (CTC) と呼ばれるアルゴリズムを目的関数に導入します。
     複数のコーパスにおける実験の結果から、提案手法は比較的短い文に対するリアルタイム翻訳に関しては先行研究と同程度の翻訳精度を達成し、訳出タイミングを適応的に決定することが出来ていることがわかりました。また、長文に対する自動同時翻訳に関しても先行研究に比べて遅延が大きいという問題が残りますが、一定の翻訳精度を達成していることが確認出来ました。

  • 著者 authors:
    帖佐 克己、須藤 克仁、中村 哲

  • 受賞者のコメント Awardee's voice
     このような賞をいただくことが出来て、大変嬉しく思います。ご指導頂いた先生方には心より感謝申し上げます。このタスクはかなり困難でやりがいのあるタスクですが、この受賞を励みとして研究に弾みをつけられればとおもいます。

  • 外部リンク Links to:
    情報処理学会 自然言語処理研究会のHP: https://nl-ipsj.or.jp/award/

>> 知能コミュニケーション研究室 Augmented Human Communication lab.