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ユビキタスコンピューティングシステム研究室の森下 慈也さん(博士前期課程2年)らが、2015 ACM International Joint Conference on Pervasive and Ubiquitous Computing (UbiComp 2015)において、Honorable Mention Awardを受賞しました。 (2015/09/09)

UbiCompは、コンピュータ科学分野で世界最大規模の学会団体ACM(Association of Computing Machinery:1947年創設)が主催する国際会議で、ユビキタス・コンピューティング及びパーベイシブ・コンピューティングに関する広範な学際領域をカバーします。 今年は、大阪府大阪市グランフロント大阪にて、2015年 9月 9日(水)~11日(金)に開催されました。 Honorable Mention Award は、全てのフルペーパーのうち上位5%に与えられる賞です。 morishita
  • 受賞研究テーマ Research theme:
    "SakuraSensor: Quasi-Realtime Cherry-Lined Roads Detection through Participatory Video Sensing by Cars"
    提案システムである、桜センサは、参加型センシングに基づき、多数の車両が車載スマートフォンを用いて、桜の花が咲いている場所の情報および動画を自動的に収集、配信します。
    桜センサでは、(1) 桜の花の有無と量(桜度合い)を正確に認識すること、 (2) 複数車両が分担してセンシングすることで、負荷に偏りの生じないセンシングを実現すること、という 2 つの技術的課題を解決することを目標としています。(1) を解決するため、事前に作成した桜の花に出現する色の分布を用いて入力画像における桜度合いを算出する方法と、桜の花に似た色の人工物の誤検出を防ぐフラクタル次元解析に基づく方法を提案しました。 (2) を解決するため、各PoI(桜の花が見られる地点)の発見率をあまり低下させることなく車両1台あたりの処理負担を軽減する多段階センシング法を提案しました。これは、既に発見された PoI近辺に新たなPoIが存在すると仮定し、既登録PoIの付近におけるセンシング(画像の撮影と解析)間隔を動的に短くする方法です。
    桜センサをiOSデバイスとサーバからなるシステムとして実装し、桜が開花中の道路を走行する実験を行いました。
    7箇所で収集した合計1860秒の動画を10秒毎に区切った動画186個に桜センサを適用した結果、桜のあり・なしを適合率0.91、再現率0.53で認識できました。また、シミュレーション実験により、多段階センシング法は、固定距離間隔でセンシングを行う手法と比較し、約半分のセンシング回数で同程度のPoI発見率を達成しました。


  • 受賞者 Awardee:
    森下 慈也、前中 省吾、永田 大地、玉井 森彦、安本 慶一、福倉 寿信、佐藤 啓太

  • 受賞者のコメント Awardee's voice
    この度は、栄誉ある賞をいただき、大変光栄に思っております。また、我々の研究を高く評価していただいたことを大変光栄に思っております。
    今回の受賞に関しまして、共著者の株式会社デンソー福倉様、佐藤様、安本教授、玉井助教をはじめ、ご指導いただいた先生方、研究にご協力いただいた研究室の皆様にこの場を借りて深く御礼申し上げます。
    本賞を励みに今後とも研究に邁進して行きます。

>> ユビキタスコンピューティングシステム研究室 Ubiquitous Computing Systems lab.