奈良先端科学技術大学院大学
オープンキャンパス

情報科学研究科の研究室紹介

2001年6月9日 11:00〜16:30


情報基礎学講座

場所: B506

計算機ソフトウェアの理論と実際

本講座では, 計算機ソフトウェアの理論やその応用,使いやすいソフトウェアの開発などについて研究を行っています.現在の主要テーマである情報セキュリティ, ユーザインタフェース指向設計などから以下のような話題を選んで, パネルによる説明を行います.

  • 情報セキュリティ:公平な匿名プロトコル, プログラムのセキュリティ検証
  • ユーザインタフェース指向設計:ユーザの負担が少ないWWW検索支援方式,インタラクティブシステムの設計法.
  • 誤り制御方式, 項書換え系とその応用.
情報論理学講座

場所: A306

VLSI-CAD:コンピュータ/VLSIの自動設計(デモ)

VLSIを自動で設計してくれるソフトウェアをVLSI-CADシステムといいます. VLSI-CADシステムの発達によって,今日では,高性能・高機能でありながら,小型で信頼性の高いコンピュータが,私たちの身近なものとなりました.ここでは,CADシステムによってVLSIが設計される様子を紹介します.また、コンピュータ/VLSIの設計とテスト、分散/並列アルゴリズムに関してパネルによる説明を行ないます。

計算機言語学講座

場所: A315

パネルによる説明およびデモ.

本研究室は、インターネットに関する幅広い技術開発を行っています。昨今、インターネット上でDenial of Service (DoS)攻撃と呼ばれる手法を用いて、ホームページを書き換えるなどの、サイバーテロ事件が相次いでいます。そのため本研究室では、特に、インターネットのセキュリティ確保に大きな力を注いでいます。今回は、本研究室で開発いたしました、Anti OS Detection 技術をデモンストレーションし、セキュリティプロトコルを用いた通信技術をご紹介いたします。Anti OS Detection 技術とは、遠隔地から OS の種類・バージョンを判定することを防止したり、偽の OS に見せかける技術です。この技術により、攻撃者がコンピュータの OS を判定できなくなり、安全性が向上いたします。また、セキュリティプロトコルに関する研究としましては、属性証明書を利用したアクセス制御、Internet Key Exchange (IKE) を用いた個人認証および、電子投票システムをご紹介いたします。

自然言語処理学講座

場所: A706

計算機による言葉の理解。 自然言語処理学講座では、計算機に人間の言葉を理解させるためにはどんなことが必要かを研究しています。いわゆる常識を持たない計算機は「えっこんなことも?」というようなことまで教える必要があり、しかもその量はかなり膨大であることが分かってきています。今回はこのような知識を大量のテキストデータから自動的もしくは半自動的に抽出するためのプログラムをいくつか紹介します。

  • 日本語/中国語の形態素解析
  • 統語解析視覚化
  • 統計的係り受け解析
  • 談話記事のタグづけ

知識工学講座

場所: A616

サイズが小さければ人間が簡単に解け、 かつサイズが大きくなるとコンピュータでは普通にやると解けない(あるいは とんでもなく時間がかかる)問題をコンピュータで速く解くために、 その方法や速く解けるような問題に関する妥当な条件を見つける」 という研究を様々な分野で行っています。

  • オブジェクト指向データベースにおける複合オブジェクトモデル
  • オブジェクト指向データベースプログラムの型検査
  • オブジェクト指向データベースのセキュリティ
  • データのトレンドの自動分析
  • 関係データベースの設計
  • 形式的設計検証
  • 論理式の判定アルゴリズム
  • マルチエージェント
  • 強化学習

知能情報処理学講座

場所: B715

本講座では「人間機械共存系」の実現を目指して、環境理解、マルチモーダルインタフェイス、ウェアラブルコンピュータ、コミュニティ支援、自律ロボット、をテーマとした研究を行っています。画像理解と音声対話などの技術を用いて機械と人間との意思疎通を図り、高度な知識処理を用いて人対人のコミュニティを形成し、賢いロボットが人間の意図を踏まえたサービスを提供することが我々の目指す人間機械共存系です。以下のデモをお見せします。

  • 距離画像を用いたジェスチャー認識
  • 巡回・人捜しを行うマルチロボット
  • ウェアラブルコンピュータによる動画像認識
像情報処理学講座

場所: A101, A407, A208

Wearable Computer応用事例
HMD上で5指の指先に表示されたメニューを反対の手の人指し指で選択する、手軽でかつ直感的な入力インタフェース『てのひらめにゅう』などを提案している。

仮想現実感技術応用事例などの紹介
自分の部屋にいる顧客と事務所にいるデザイナーがコミュニケーションを取りながら、同じ仮想空間を共有してインテリアデザインを行なうシステムなどを提案している。

遠隔超音波診断(テレエコー)システム
遠隔地にいる患者を診断する際、患者の側にいる素人に医師が超音波プローブの当て方をリアルタイムで指示することで、医者が患者の側にいなくても診断を行なうことができる。

アメリカンフットボールのVR訓練
実際の試合映像から選手の動きを解析し、それを三次元仮想空間で再構築することでビデオ解析を簡単化できる。さらに、没入型ディスプレイに投影することで選手の状況判断訓練に利用できる。

人体臓器のVR可視化
腎臓糸球体を没入型スクリーンに投影し、インタラクティブなインターフェースを用いて観察することによって、腎臓糸球体の機能評価に役立てることを目的としている。

音情報処理学講座

場所: B616, B608, B118

日本語ディクテーションシステム (B616)
音声ディクテーション技術(任意語彙音声聞きとり技術)は,人間が話した言葉を文字に書き起こす技術で,音声認識技術を集大成したものといえます.ここでは,日本語用ディクテーションシステムのデモを行います.

マルチモーダル音声認識 (B616)
音声認識システムの高度化手法として, ユーザの唇の動きをカメラで捉えた動画像の利用が考えられます. ここでは唇の動きから発話時・非発話時を判別することで高精度な音声認識を可能とするシステムを紹介します.

音声分析・変換(モーフィング)・合成方法 STRAIGHT (B616)
STRAIGHTは, ボコーダでありながら高い自然性を持つ音声を合成することができます.また,音声のパラメータ(話速,声質,声の高さ)を600%も変化させても,それなりに自然な音声を合成することが可能です.それらをパネルを使って説明し,実際に合成音をDATにより聴いてもらいます.

音声対話によるインターネット情報検索 (B616)
音声認識の応用として, 音声Webブラウザの開発を行っています. デモではインターネット上の新聞記事や料理情報の検索を行います.

マイクロホンアレーによる音源同定 (B608)
マイクロホンアレーとは,遠く離れた場所に存在する複数音の方位同定・分離抽出を行う技術です.ここでは,音の方位を瞬時に同定して,連動したビデオカメラをその音の方向に向ける装置のデモを行います.

音の仮想臨場感トランスオーラルシステム (B118)
音源がないところに音が聞こえる,仮想的な音源を複数のスピーカシステムにより生成するトランスオーラルシステムを紹介します.

言語科学講座(客員講座)

場所: B414

展示内容:波形接続型音声合成方式の概要・特徴について説明を行う. また音声合成における韻律の重要性について解説する. デモとして音声合成システム, 音声コーパス作成システムの 2つを展示し, 実際に動かしてもらう.

認知科学講座(客員講座)

場所: B411

認知科学講座では,人間の知的活動,すなわち思考の過程を計算機を用いて支援,モデル化する研究を行っています.オープンキャンパスではこれらの研究の成果として構築したツールのデモを中心に行います.

パネルによる紹介:

  • 講座概要紹介
  • Representation に着目した情報創出の初期段階における思考活動の支援
  • 環境調和型設計のための設計の分析に基づく製品コンセプト明確化支援方法論
  • 互理解の支援に関する研究
  • データ解釈のための情報アニメーションに関する研究
  • 設計を支援するシステムの構築に関する研究
  • 対面講義における受講者支援に関する研究
  • 形部分文字列に着目したストリングの分析手法に関する研究
  • 実演奏における演奏表情情報の抽出と適用

実演:

  • 環境調和型設計のための設計の分析に基づく製品コンセプト明確化支援システム
  • Representation に着目した情報創出の初期段階における思考活動の支援システム
  • EVIDII: 印象の違いを可視化してコミュニケーションを支援するシステム
  • データ解釈のための情報アニメーションを行うシステム
  • 実演奏における演奏表情情報の抽出と適用に関するデモ
情報科学センタ

情報科学センター砂原研究室では,インターネットとマルチメディアコミュニケーションをキーワードにさまざまな研究が行われています.マルチメディアコミュニケーション関連ではビデオ会議システム,画像検索やPeer-to-peerに関する研究が,インターネットを支える技術の研究としてはポリシーサーバにおけるQoS制御の性能向上に関する研究やサーバ監視システムの開発が行われています.

また,セキュリティーに関する研究として連携型侵入検知システムに関する研究も進められています.

付属図書館研究開発室

場所: 図書館2F

  • 次世代大学環境-ネットワークを利用した遠隔講議システム
  • 位置情報を利用する情報システム
  • 高精度位置インフラとその応用
ソフトウェア基礎講座

場所: B308, A111

横矢研究室では画像処理・認識,バーチャルリアリティ,ヒューマンインターフェース,人工知能とそれらを組み合わせた分野の研究を行っています.今回のオープンキャンパスではそれらの中からいくつかの研究のデモとビデオとパネルによる研究紹介を行います.

実演:

  • B308
    • ビデオ、パネルによる研究紹介
    • ビデオシースルー型拡張現実感システム (ARもぐらたたき)
    • 全周計測型レーザレンジファインダ計測実演(研究科特別設備)
    • 全方位ハイビジョンカメラを用いた遠隔臨場感システム(HMD版)
  • A111
    • 全方位画像センサを用いた遠隔臨場感システム(円筒スクリーン版)
    • 実写とCGを融合したウォークスルーシステム

言語設計学講座

場所: B407

本講座では、人間と計算機のインターフェースとなる言語の設計、言語の処理系、言語を用いた応用システムの設計手法に関する研究を行っています。今回の研究室公開では、最新の研究成果を、デモを含めて紹介します。

パネルによる紹介:

  • 能動形プログラム (ソフトウェア発展モデル)
  • 建築空間記述言語による建築設計
  • ハードウェア/ソフトウェアの協調設計 (コデザイン) 手法と高位合成における最適化手法
  • 高速・大規模・低電力 LSI の設計自動化法、設計検証手法、タイミング検証手法
  • データの論理関数処理に基づく知識発見手法
  • 量子計算機とその能力

実演:

  • 手話学習・表示システム
  • 構造可変なハードウェアのリアルタイム認識処理への応用とその C プログラムからの設計環境
  • Java プロセサ、音声認識チップ、視線方向推定システムなどの LSI 研究開発プロジェクトによる成果

ソフトウェア計画構成学講座

場所: B114

ソフトウェアの開発・利用・管理を支援する技術

  • パネルによる紹介:オープンソース,再利用,開発者教育,ユーザインタフェース,ユーザプロセス,ソフトウェア保守,計測等に関するパネル紹介を行います.
  • 実演:ネットワークを利用したソフトウェアの利用知識の共有,および,視線インタフェースのデモを行います.
計算機アーキテクチャ講座

場所: B508

Bio-Medical-Informaticsを中心とした研究内容を展示しています.

BMEグループ

  • レーザトラッピングによる細胞操作と生体分子計測
  • 神経繊維走行空間構造の同定
  • MRE画像を用いた生体組織の局所弾性率計測
  • 血中RI濃度連続測定システムのためのノイズ除去機構を有するβ線検出器の開発
  • PET検査中の被験者の動きの追跡
  • 電子カルテと紹介状の地域連携システム
  • 力覚提示デバイスを用いた手術シミュレーション (PHANToMを用いたデモ)

マルチメディア統合システム講座

場所: A708

●映像データベース Heijo
サーバに蓄積された大量の映像に対して検索処理を行うことができるHeijoシステムのデモを行う.本システムでは,通常の検索に加えて概観を利用した映像のブラウジングも可能となっている.

●XMLデータベース
XML文書をDTDとは独立なスキーマで関係データベースに格納し,XPath問合せをSQLに変換することにより所望の部分文書の検索を行うXMLデータベースシステムのプロトタイプを紹介する.

●多言語知識発掘システム
WWWに存在する多様な言語で書かれた文書群への統一的なアクセスを支援するシステムである.特に,言語横断情報検索技術,文書の言語および符号系の自動識別アルゴリズムについて紹介する.

●ウェアラブルデータベース
ウェアラブルコンピュータにおけるデータベース技術の応用として,実時間データマイニング,情報フィルタリング,位置と地理情報を用いた映像検索を紹介する.

○バイオインフォマティクスとデータベース

○考古学情報の電子化に関する研究

(●…デモ/○…パネルまたはPowerPoint)

情報ネットワーク講座

場所: A414

ディジタル移動通信システム
ディジタル移動通信の無線信号送受信系についての簡単なデモを行います。また、W-CDMAやアダプティブアレーアンテ、OFDMなどの研究テーマに関する紹介を行います。

大規模情報配信システム
大規模Web 配信、Proxyサーバ、WWWキャッシュなどの大規模情報配信システムの研究テーマに関する紹介を行います。

システム基礎講座

場所: B607

システム基礎講座ではシステム科学における基礎と応用を幅広く研究しています。特に、制御理論(動的システム)と待ち行列理論(確率事象システム)をベースにして、現在は以下のようなテーマに取り組んでいます。

パネルによる説明

  • ディジタル信号の位相特性とシステムの受動化
  • 数値最適化を活用した制御系設計 - フライトコントロールシステムの設計
  • 制御理論に基づく適応・学習システムの基礎と応用
  • ATM/ABRサービスクラスにおける輻輳回避のための動的レート制御手法
  • Go-back-N再送方式を有する有線無線ネットワーク上でのTCPの性能評価
  • ATM/ABRサービスカテゴリにおけるジッタ抑制手法の提案

デモによる説明

  • ヘリコプタ運動制御実験
  • MPEG2/IPシステム: インターネット上で動画像を送受信するシステムのデモを行ないます。
  • ビジュアルフィードバックによる倒立振子の安定化
  • OPNETによるネットワークシミュレーション: 通信・放送統合型ネットワーク上での動画像通信のシミュレーションデモを行ないます。
システム制御・管理講座

場所: B119, B707

ロボットアームによる物体把持(B707)
複数の腕を用いて一つの物体を把持する際には、無理な力で物体を破壊しない、あるいは落とさないように、微妙な力制御を行う必要があります。本研究室では、応用として、球状のハンドを用いることでロボットの姿勢角に自由度を持たせ、力制御を行いつつ、特異姿勢の回避や障害物を回避して物体を搬送するための研究を行っています。オープンキャンパスでは、以上の研究の実験をビデオを用いて紹介します。

特異システムの非線形最適制御(B707)
宇宙ロボットや移動車両は、ノンホロノミックシステムと呼ばれ、特異性を持つシステムのため、他の機械系の制御に用いられる制御則を用いて系を漸近安定とすることができません。本研究室では、偏微分方程式の粘性解理論を用いた最適制御、あるいは実時間最適化手法を用いた最適制御により、これらの系を漸近安定化する研究を行っています。オープンキャンパスでは、CGを用いたアニメーションによる宇宙ロボットの最適姿勢制御と、実時間最適制御を三輪移動体に適用した実験を紹介します。

脳波を用いた人間の思考状態のモニタリング(B119)
化学プラントや航空機などといった大規模で複雑なシステムを運転する運転員を支援することを目的に、脳波をはじめとする生理指標から人間の思考状態をモニタリングする研究を行っています。当日は、思考状態モニタリング実験のビデオ映像をお見せしながら、研究内容や実験装置の紹介を行います。

プラント運転におけるヒューマンインタフェースの研究(B119)
プラント運転員(人間)は、大事な局面における状況判断、意思決定、対応操作といった、重要な役割を果たさなければなりません。本研究室では、運転員の判断を助け、負荷を減らすことを目的とした、プラント運転のヒューマンインタフェースに関する研究を行っています。また、熟練運転員の持つ経験に裏打ちされた運転のコツや勘所を、若手オペレータに伝承するためのシステムの開発も行っています。当日は、パネルを用いてこれらの研究内容の紹介を行います。

ロボティックス講座

場所: A111とA507

ロボットのような、実世界との相互作用に基づき機能するシステムでは、実時間での 認識機能(リアルタイムセンシング)が重要となります。視覚情報・触覚情報などの リアルタイムセンシングに基づいて知能システムを構成する手法に関する研究内容を デモとパネルで紹介します。

実演の内容:

  • ロボットサッカー(A111): ロボットサッカーは,「人間のようにサッカーができるロボットの開発」という目標に向かって,世界中のロボット研究者が共通して追及している新しい研究課題です.ロボットサッカーの世界大会の中型機部門に参加していたサッカーロボットのデモンストレーションを行います.
  • 視線対話型インテリジェント車椅子(A507): 高齢化社会の到来にともない,より安全で快適な「インテリジェント車椅子」の実用化が望まれています.本研究室では,ユーザの顔の向きを検出し,それをもとに走行動作を行う車椅子ロボットを開発しました.当日は,実際に見学者に搭乗して頂いて走行デモンストレーションを行います
  • リズム生成に基づく四足歩行ロボット(A507): 生物はリズムパターンに基づいて運動を行っていることが知られています。この手法を用いて動歩行を行う四足ロボットをロボットを開発中です。当日は、歩行のデモンストレーションを行います。
論理生命学講座

場所: A605

パネルとデモにより,以下に関する説明を行ないます.

○強化学習
強化学習とは,報酬だけに基づいて,目的に合う行動を獲得するという機械学習の枠組みです.更に詳しい説明と,強化学習を使ったオセロや倒立2重振子のデモを紹介します.

○ニューロシミュレーション
神経細胞の性質に関する説明と,NEURON や GENESIS といった,1個の神経細胞を沢山のパーツに分割してモデル化したシミュレーターのデモを紹介します.

○バイオインフォマティクス
DNA やタンパク質の構造に関する説明と,この分野における情報科学的手法を説明します.

並列分散システム講座(客員講座)

場所: B4F北廊下

パネルによる説明.


見学会,入学試験に関するお問い合わせ先
630-0101奈良県生駒市高山町8916-5
奈良先端科学技術大学院大学・研究協力部学生課
電話: 0743-72-5083 FAX: 0743-72-5014
Email: gakusei@ad.aist-nara.ac.jp

Revision 1.0.3, May 24, 2001
Copyright (C) 2001, Graduate School of Information Science,
Nara Institute of Science and Technology, Japan