アクティブ3次元計測手法は,プロジェクタを用いて構造化光を物体に照射し,その様子をカメラで撮影して視差情報を推定することで3次元形状を復元する手法で,材質やテクスチャ情報の影響を受けにくいという特性から主に産業界において重宝される.しかし,計測を困難にさせる素材も多く存在しており,特に金属においては産業界で幅広く用いられる材質でありながら拡散反射成分が少ないことに加え,凹面では強力な相互反射を及ぼすという特徴により誤計測が顕著になる.本稿では,そのような特徴を持つ金属の問題点をハイライトと相互反射の2つに絞り,限定的だが高速に相互反射効果を除去できるEpiscanと併用可能な技術の提案を目的とおいた.具体的には前者の問題点に対してはレンチキュラーレンズ及び再帰投影によるアプローチ,後者に対しては輝度のクラス分け及び時間的周波数を用いたパターン画像を使ったアプローチから検証し,形状依存のない安定したアクティブ三次元計測を実現させる方法に対する研究結果を述べ,結果として1次元相互反射除去に着眼した時間的周波数パターンとの併用を用いて計測結果を大幅に改善させることに成功した.