IMUセンサを用いた足裏荷重予測による遅延のない下肢外骨格制御

永島 幹久 (1811197)


近年, 外骨格ロボットアシスト装置を用いた動作アシストやリハビリテーションが注目を集めている. 中でも, 歩行のアシストを対象とした下肢外骨格への需要が高まっている. しかし, アシスト時に発生する遅れの問題などから, 実用化に至っている製品は少ない.

本研究では下肢外骨格において発生するアシストの遅れ問題を解消するために慣性計測装置 (IMU: Inertial Measurement Unit) を用いて将来の足裏荷重の予測を行った. IMUセンサは実際の下肢外骨格にも搭載されているセンサユニットであり, 予測対象である足裏荷重は歩行周期の推定や膝のモーメント推定などに用いられる情報である. 予測の手法としては機械学習の一種であるLong Short-term Memory (LSTM)を用いた. LSTMは音声処理や言語解析など, 時系列データを用いた予測や推定に用いられるネットワークである.

提案手法による足裏荷重予測の精度検証のためにいくつかの条件でIMUセンサと足裏荷重センサを用いた歩行計測を行い, 予測の精度を比較する. また, 予測された足裏荷重が実時間で使用可能かを検証するために, 下肢外骨格を用いた検証も行った.