畳み込みニューラルネットワークを用いた肺ガンの形態特徴と遺伝子発現量の相関解析

出口 和樹(1811183)


ガンは細胞内の一部の遺伝子が変異することで細胞が異常に増殖し続けることで発生することが知られており,生物学的研究からそのメカニズムは明らかにされてきた。しかし,ガンの形状(細胞の凝集度,細胞質の形態,細胞核の形態)に影響を与える遺伝子はほとんど明らかにされていない。 ガンの形状に影響を与える遺伝子を特定することで遺伝子発現情報から将来的なガン組織の形状を予測できるようになりガンの予防的治療が可能となる。本研究では教師ありの畳み込みニューラルネットワークと教師なしの畳み込みニューラルネットワークを用いて, 高次元のガン組織学画像から低次元に空間的特徴や形態学的特徴を集約し,遺伝子発現量データとの相関を調べることでガン組織の形状に影響を与える遺伝子を特定することを目的とした。その結果,細胞増殖,細胞修復,免疫系で働く遺伝子の一部が主に組織形状に影響を与えていることが示唆された。