大規模CT画像データベースにおける骨盤形状パラメータの全自動計測

田中 雄基


この論文では,大規模CT画像データベースから解剖学的な知識を抽出することを目標に深層学習を用いた骨盤形状パラメータの全自動計測について述べる. Convolutional Neural Network(CNN)を用いた解剖学的ランドマークの自動検出によって特に骨盤の矢状面アラインメントに関する骨盤形状パラメータの計測方法を示す.本来CNNが画像の特徴の位置に対してロバストであるがランドマーク検出では位置について敏感である必要がため,改善したネットワークを提案する.大阪大学医学部附属病院で撮影された100症例のCT画像で提案するネットワークの評価および訓練を行い,ランドマークの検出誤差の中央値が3.04 mmであった.すべてのランドマークの4 mm以下での検出成功率は83\%である.1つの画像に対して5秒ですべての骨盤形状パラメータの計測をでき,臨床における骨盤形状パラメータの自動計測に対する有用性を示した. また,骨盤形状パラメータを解剖学ランドマークの自動検出によるアプローチによって10000症例を超える大規模CT画像データベースに対して適用を行い,最大のコホートによって得られる骨盤形状パラメータを報告する.骨盤の矢状面アラインメントを定量化するPelvic Incidence, Sacral Slope, Pelvic Tiltの平均値はそれぞれ男性で$50.99\pm10.78^\circ$,$40.76\pm10.16^\circ$, $10.23\pm5.84^\circ$であり,女性では$52.80\pm10.59^\circ$,$40.43\pm9.95^\circ$,$12.38\pm6.57\circ$であった.提案されたアプローチは幅広い年齢層の大規模なCT画像データベースに対して適用が可能であり,年齢と性別に関連した骨盤の矢状面アラインメントの平均値を理解することが出来た.

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