連続する事態の一貫性に基づく雑談対話応答のリランキング

田中 翔平 (1811164)


ユーザとの雑談対話において,対話システムがユーザとの対話を継続させるために,対話履歴に対して一貫した応答が有効であると期待される. そこで本研究では,対話モデルより生成された応答候補を,対話中に含まれる事態の一貫性に基づいてリランキングする手法を提案する. 提案手法は対話履歴と応答それぞれに含まれる事態の関係(「ストレスが溜まる」と「発散する」は関連した事態である,など)を考慮することで,選択される応答の一貫性,対話継続性の向上を図る. 本研究では異なる2つの手法を考案した. 1つ目の手法は統計的に獲得された因果関係ペアとのマッチングにより事態の一貫性を考慮し,2つ目の手法は Coherence Model によって応答全体の一貫性を考慮する. 自動評価,人手評価の結果,応答全体の一貫性の向上は認められなかったものの,前者の手法において対話継続性が向上することが確認できた.