組み立て作業支援のためのAR システム設計ガイドラインの提案
組み立て作業支援に対して,拡張現実感(AR)技術が有効であることは数多くの論文で確認されており,また近年そのAR技術を手軽に扱えるヘッドマウントディスプレイの登場やシステム開発環境の充実などにより,ARを用いたシステムが,容易に設計・開発可能になった.ただし,効率的な作業支援システムを作成するには,どのような情報をどのように表現するのかといった情報デザインが重要となる.これには専門的な知識やシステム開発経験が必要となるが,現在,これを解決するためのガイドラインは存在しない.そこで,本稿では,これまでに発表されたARを用いた情報提示方法をもとに,作業の内容や使用する位置姿勢推定技術に応じた適切なシステムの情報デザインを補助するガイドラインを提案する.そして、本ガイドラインの効果について,本ガイドラインを使用することで,均一な情報デザインが可能かどうかを確認する実験と,その情報デザインから作成されたARシステムは高品質であるということを確認する実験の2種類を実施した.その結果,より均一な情報デザインと品質の良いARシステムが作成することができた.
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