屋内MIMO-LCXシステムにおける場所ステアリングベクトルを用いた二次元端末位置推定

白井 侯丞


近年、屋内における無線端末の位置検出のためにLCX(Leaky CoXial cable)アンテナの利用が検討されている。先行研究では2本のLCXを平行に並べ、その両端をアンテナの結電点とすることでMIMOシステムを構築し、信号の到来時間差から二次元的に位置推定を行ってきた。到来時間差を求めるためには周波数応答からインパルス応答を求める必要がある。その際に、MUSIC(MUltiple SIgnal Classification)法を用いることにより、限られた周波数帯域幅においても高精度な時間分解能の推定が行える。しかしこのシステムには、計算量の削減やシステムの簡略化という点で改善の余地がある。そこで、本発表では場所ステアリングベクトルを用いた新しい屋内端末二次元位置推定手法を提案する。シミュレーションを通じて、1本のLCXでの二次元端末位置推定が可能であることを確認し、またその推定精度を評価する。