ジェスチャミラーリングとは,対話者のジェスチャを模倣することで親密度を向上させる技術として知られている.しかし,ジェスチャミラーリングは対話者に模倣していることを気づかれると,不快に感じさせる原因となることが知られている.そこで,本研究では人との親密度の向上を目的とした,ロボットの対話者の模倣されていることへの気づき度に応じて模倣方法を適応的に変更する,適応的ジェスチャミラーリングシステムの開発を目指す. paragraph delimiter このシステムの実現のために,まず実験で「遅延」「動作量」「頻度」のパラメータで模倣度を変更したロボットに対する模倣の気づき度合い,親密度の関係を調査する.その結果,遅延2秒でジェスチャミラーリングを行うロボットが最も親密度が高く評価された.また,意図的な模倣を検出されることが親密度低下に繋がること結果から見られた.次に,人に模倣に対する気づきを検出するために,模倣されていることに気づいた時の人の視線情報を解析した.結果,人が模倣されていることに気づくと,視線が気付いたタイミング,もしくはその前後で模倣しているジェスチャを向く可能性が示された.これらの結果から,人の視線を模倣に対する気づき検出に用いて,気づき度に応じて模倣方法を変更し,人との親密度を向上させる適応的ジェスチャミラーリングシステムの実現可能性を示した.