漏えい電磁情報の取得性高精度化のための計測雑音低減に関する研究

川上 莉穂 (1811077)


電磁照射により情報を含む漏えい電磁波の強度を制御し、機器から意図的な情報漏えいを引き起こす脅威がある。本脅威では情報漏えいの過程で、計測雑音レベルも増加する。漏えい電磁波を通じた情報の取得性は計測雑音レベルより変化するため、その強度を考慮した議論が求められる。本論文では、電磁照射により生じた漏えい情報評価の精度向上のために、(1) 照射電磁波の自己干渉波による計測雑音レベルの増加、(2) 電磁照射により生ずる漏えい電磁波が含むターゲットとなる信号以外による計測雑音レベルの増加に着目する。実験では、計測雑音レベルが増加した環境下においても自己干渉波抑制信号による雑音の抑制とターゲット信号と他信号の分離により、雑音を低減することで、漏えい電磁波と計測雑音の強度の信号雑音比(SNR) が改善することを実証した。さらに、高精度化した評価手法を適用することで脅威の対象が拡大する可能性を示した。