オープンソースソフトウェアプロジェクトにおける継続的インテグレーションツールの変更の影響調査

鐘ヶ江 由佳


近年,OSSプロジェクトで継続的インテグレーション (CI)ツールが広く利用されている.CIツールを活用することにより,開発者は統合の失敗をソースコードの変更が少ない早期に発見することができ,デバッグを容易に実施できる. CIツールには,JenkinsやTeamCity等のオンプレミス型の製品から,TravisCI,CloudBeesといったクラウド型の製品まで、多くの種類が存在する.一般的に,OSSプロジェクトでは当該プロジェクトの開発環境に最も適しているCIツールを選択し,使用する.一方で,ソフトウェア開発プロジェクトが発展するにつれて,CIツールの使用環境も変化する.そのため,利用するCIツールを変更することによって,ソフトウェアの開発効率が向上できる可能性がある.しかし、CIツールの変更は多大な労力を要する一方で,CIツールの変更に伴う利点や欠点が明らかになってないため,CIツールの変更の是非を正しく評価できないOSSプロジェクトが多数存在すると考えられる. そこで,本研究では,OSSプロジェクトにおけるCIツールの変更を支援するために,過去にCIツールを変更したOSSプロジェクトに関して,その特徴およびCIツール変更による開発プロセスへの影響を分析する.