熱特性に基づく伝播解析を用いた非視線方向イメージング
加賀 正樹 (1811062)
非視線方向イメージング(Non-Line-of-Sight Imaging, NLOS Imaging)は,非視線方向のシーンが視線方向のシーンに及ぼしている影響を観測・処理し,直接観測できない非視線方向のシーンを推定する手法である.従来では可視光や近赤外光を用いる手法が提案されてきたが,本発表では熱を用いた非視線方向イメージングの手法を提案する.光が物体内部まで伝播する材質は限られているが,熱はほとんどの物体でその内部を伝播する.また物体内部の熱は遠赤外光を放射するため,遠赤外領域ではあらゆる物体を光源と見做すことができる.この特性を応用することで,熱伝播を利用した物体内部のイメージングを実現できる.また従来手法とは異なり光源を用意せずに隠れ物体の位置を推定する非視線方向イメージングを実現できる.提案する手法について実験を行い,本手法の有効性を確認した.