暗号モジュールの動作時に生ずる漏えい電磁波から内部の動作を推定し、暗号処理に用いられる秘密鍵を導出する電磁波解析攻撃が提案されている。電磁波解析攻撃はモジュールからの漏えい電磁波を測定(プロービング)し、続いて測定波形を解析するという順序で実行される。従来の対策手法では、測定波形の解析を困難化することに着目した暗号アルゴリズム・回路レベルでの検討がなされている。しかし、暗号アルゴリズムに依存し対策の有効性が変化する可能性、測定波形の解析手法が高度化した場合に無効化される可能性があり抜本的な対策とはなっていない。
本発表では、暗号モジュールを実装したIC周囲のノイズをIC内部から測定し、測定波形の振幅からプロービングによる電磁環境の変化を観測し、電磁波解析攻撃の兆候を検知する手法を提案する。また、電磁波解析攻撃が実行されている状況を模擬した評価環境で測定を行い、提案手法の有効性を確認する。