物流における配送容器への物体積込は自動化の求められる作業の一つである. これまでの物体積み込み計画の研究は箱詰めされた対象物の積込みが目的であり,対象物が柔らかかったり,壊れやすかったりといった物理的な制約や配置における制約は考慮されてこなかった. また現状の物体操作の研究では衝突を避ける動作と物体を決められた姿勢に配置する動作の両立は考慮していない.
本論文では,ロボットによる容器への詰め込みを実現するため,1. 多種類物体に適用可能な積み込み計画手法と2. 詰め込み計画を実行可能なロボット動作に変換する手法の2つを提案する. 1. では物体の配置を最適化問題として設定し,物体の種類と配置関係の制約を最適化関数に組み込み積込位置を決定する. 2. では,吸引グリッパを持つロボットが最終状態で容器に接触しない条件を考慮して把持方法を決定し,直線軌道により物体を積み込む動作を生成する.
提案した物体積込計画の手法を評価するため従来手法と比較する実験を行った. 実験では生成された結果が設定した制約を満たした配置を行っていることを確認した. また,積込動作の手法を評価するためにロボットアームによる容器への物体積込実験を行った. 11個すべての物体に対して容器の衝突を考慮した動作生成ができ動作実行の結果環境への衝突が起きずに10個の積込に成功した.