対話において質問という行為は,対話の掘り下げという観点で重要な意味を持つ.ここで言う対話の掘り下げとは,話題や焦点を絞り対話を継続する行為を指す.対話システムが行う質問による掘り下げは,特定の目的を達成するための質問と,次のユーザの発話を促すための質問という観点から,長年研究がなされてきた.本研究では質問生成を行うための新しい手法として,既存の言語資源である格フレームを用いた統計ベースでの質問生成手法を提案する.具体的には,格フレームを用いて質問候補を生成した後,格フレームに格納されている述語・格・格要素の頻度や発話の焦点語を用いて質問を選択する手法を提案する.評価セットを作成し,提案システムを評価したところ,格フレーム頻度を用いて生成した質問候補から焦点語を用いて質問を選択する手法より,格フレーム頻度のみを用いた方が適合率と再現率が高くなった.