Preciadoらは,SISモデルを用いた感染症対策の最適資源配置手法を提案した. Preciadoらの大きな貢献は,geometric programと呼ばれる最適化問題のクラスを利用することで,最適資源配置問題が凸最適化問題に帰着することを示したことである. しかし,多くの考慮されていない要素も存在する. その中でも,本論文では,三つの要素に焦点を当てて最適資源配置問題を考える.
一つ目は資源配置の切り替えである. 資源配置の切り替えを可能とするために,線形切り替えシステムを利用し,時間毎の最適資源配置手法を提案する. 二つ目は外乱の考慮である. 外乱による影響の評価指標と設定し,外乱による影響を最小化する資源配置手法を提案する. 三つ目はネットワークの不確かさである. ネットワーク構造の不確かさを許容するために,ランダムグラフを導入した最適資源配置手法を提案する. そして,それぞれの最適化問題がgeometric programに帰着することを証明する. 最後に,空港ネットワークを例題として,本手法の有効性を検証する.