本研究では,対話ロボットとのインタラクションを通してユーザとの信頼関係構築を目的として,ペーシングがユーザに与える影響を主観的・客観的に評価する. ペーシングとは,対人における信頼関係構築で用いられる,相手の話し方や状態,呼吸などのペースに合わせる技術である. これにより,相手の警戒心をとり安心感を与えるだけでなく,相手の自分への肯定感や重要感を満たし,信頼関係を構築できると考えられている. そこで,このペーシング技術をロボットに適用し,ペーシングシステムとして実装した. 実験では,ペーシングを適用したロボットと対話をした際の印象評価を,主観的・客観的指標を用いて行う. その結果,主観的評価においてペーシングを適用したロボットとの対話の方が適用しなかったロボットとの対話と比較して, 「親しみやすいか」「対話は楽しいか」「繋がりを感じたか」「自分に同調していたか」「継続的に利用したいと思ったか」「話を聞いている感じがするか」の各項目に有意な差が見られた. また,客観的評価においてはペーシングを適用したロボットの方が適用しなかったロボットと比較して,LF/HF の被験者間平均値に有意な差が見られた. これらの結果から,ロボットにペーシングを適用したインタラクションはユーザとロボットの信頼関係を構築する上で有効であることが示された.
実験では,ペーシングを適用したロボットと対話をした際の印象評価を,主観的・客観的指標を用いて行う. その結果,主観的評価においてペーシングを適用したロボットとの対話の方が適用しなかった ロボットとの対話と比較して,「親しみやすいか」「対話は楽しいか」「繋がりを感じたか」 「自分に同調していたか」「継続的に利用したいと思ったか」「話を聞いている感じがするか」 の各項目に有意な差が見られた. また,客観的評価においてはペーシングを適用したロボットの方が適用しなかったロボットと比較して, LF/HF の被験者間平均値に有意な差が見られた. これらの結果から,ロボットにペーシングを適用したインタラクションはユーザとロボットの信頼関係を構築する上で有効であることが示された.