フィンガープリンティングマップ構成のための時系列データの傾きによる地磁気の変化検知

寺井 元基 (1751073)


近年屋内環境は増加し,屋内における歩行者ナビゲーション需要が高まってきている. 本研究では,あらかじめ特定のセンサデータに対するセンサデータマップを作成し,実測値と比較して測位を行うフィンガープリンティングという手法に着目する. フィンガープリンティングでは時間によらず一定であるデータが理想とされる. そのようなデータとして本研究では地磁気を用いることを考える. 地磁気フィンガープリンティングにおいて,地磁気が短期的に変化する可能性を考慮し,地磁気が短期的に変化しそうな地点で地磁気の定点観測を行なった. 結果として,電車が発車するタイミングで地磁気が大きくその影響を受け変化することがわかった. そのため電車が発車するタイミングでの変化の傾向を調査し,地磁気の変化パターンから発車タイミングを推定した. 結果定点での発車タイミング検知は高い精度で検知に成功していたが,発車時の変化が収まるタイミングでも変化が大きく,誤検知の要因となってしまった. それに対し移動しながらの結果では変化が大きすぎる点に閾値が引きずられ,ほとんどの発車タイミングを検知できなかった. そのため軸ごとに検知を行ったり,各軸の和を用いて検知を行うことで精度向上ができたが,誤検知も多く,各軸の扱いを考慮することでさらに精度向上ができると考えられる.